2011年度夏季セミナー「感性と文化-メンタリティと制度-」

2011年度夏季セミナー「感性と文化-メンタリティと制度-」

複合文化論系(言語文化プログラム/感性文化プログラム共催)では、2011年8月にドイツ・トリア大学の協力のもと、ドイツ語研修、ならびにドイツの日本学研究者をまじえたワークショップを中心とした夏季セミナー「感性と文化-メンタリティと制度-」を開催しました。このセミナーは、現在オープン教育センター設置の講義科目「感性と文化」としても成り立っています。全学部から集まった27名の参加者は、毎日の授業と合計3回のタンデム・ワークショップでドイツ語会話の力をつけるとともに、小旅行や食事会を通じて ヨーロッパの文化を体感しました。以下がその概要です。

◆夏季セミナー期間

2011年8月5日(金)~8月27日(土)

◆セミナー概要

・トリア(8月5日〜13日)

【大学案内・トリア市内見学 8月6日】
トリア大学のチューターの方に、大学の施設(図書館やコンピューターの使い方など)を案内していただきました。その後、市内中心部へ出て、ポルタニグラ、トリア大聖堂、聖母大聖堂、選帝皇の宮殿などの建築物を見学しました。

 

【ドイツ語講習】
トリア滞在中、計5回のドイツ語講習(9時半~12時)がありました。クラスは、初級(未修者)と中級(ドイツ語学習歴1年以上)の2クラスに分かれました。全くのドイツ語未経験者も、最後には日常の挨拶や簡単なドイツ語のフレーズ、単語を覚えることができました。

 

 【タンデム】
タンデムでは、日本人とドイツ人の学生がペアになり、以下にあげるような様々なワークショップを通じてお互いの文化やメンタリティについて学ぶことができました。
◆ワークショップの内容◆
(第1回)ドイツの学生は日本語で、日本の学生はドイツ語で自己紹介をした後、タンデム・パートナーと互いの母国語での早口言葉を教え合い、全員の前で発表をしました。また、意味を伝えることが難しい言葉(ドイツ語:Bücherwurm,Flachmann, Tagträumer,日本語:親知らず、てるてる坊主、春雨)をドイツ人は日本語で、日本人はドイツ語で説明できるようパートナーに教え合いました。
(第2回)はじめにドイツ語と日本語によるフルーツバスケットをしました。次に、各人に名前・家族での地位(父、母、息子、娘)・家族の名前が書いてあるカードが配られ、自分の家族を探し、家族構成を紹介するロールプレイングをしました。その後、パートナーと外に出て大学ラリーとして大学の敷地内を探索しました。教室に戻ってきてからは、スーパーの品物の手触りの表現(すべすべ、つるつるなど)をドイツ人が日本語で発表しました。
(第3回)数人のグループを作って、「クリスマス」「大学生活」「ジェスチャー」などのテーマについてドイツと日本の場合を比較しながらプレゼンテーションをし、その後各グループが自分たちのテーマについての1分間の劇を考え、全員の前で披露しました。

 

【ボン・ケルン 小旅行 8月7日】
トリアからバスで約3時間、タンデムパートナーと共に、ボンとケルンに行きました。ボンでは、ドイツ歴史の家(Haus der Geschichte der Bundesrepublik Deutschland)を、ケルンでは、大聖堂を見学しました。その後は、美術館・博物館見学、教会建築巡りなど、各自の関心領域に応じたグループに分かれて見学を行いました。

 

【ルクセンブルク 小旅行 8月11日】
トリアからバスで1時間、タンデムパートナーとともにルクセンブルクへ行きました。ノートルダム大聖堂などを見学後、各自の関心領域に応じたグループに分かれて見学を行いました。街歩きをしたり、軽食を取ったりしながら、ドイツ語圏とはまた違った文化を体感することができました。

 【ストラスブール 小旅行 8月13日】
トリアからバスで3時間、タンデムパートナーとともに、フランスのストラスブールへ行きました。大聖堂(写真)の見学後、グループに分かれて見学を行いました。プチフランスの散策をしたり、アルザス料理を食したり・・・このような経験の中で、フランスでありながらも、所々でドイツ文化も垣間みることができ、ヨーロッパの歴史、そして文化の様々な問題に立ち返ることができました。

【食事会など】
トリア滞在中、3回の食事会がありました。最後には、「お別れパーティ」を開き、タンデムパートナーをはじめ、お世話になったトリア大学の方々に日本食をふるまいました。全体での食事会がない日は、ドイツ人の学生さんと街へ食事にいったり、個々人の部屋で料理パーティをしたり、寮の前の芝生でバーベキューをしたりしました。

 

 

 【大学での生活】
トリア滞在中は、トリア大学の学生寮に泊まりました。学生寮では、原則として参加者同士2人または3人の共同生活ですが(部屋の空き状況の具合で、数人1人部屋にあたった人がいました)、共有スペースはキッチンと洗面所のみで、きちんと個人の部屋が確保されています。朝8時に大学内のカフェにて朝食を取り、午前中はドイツ語講習。昼食はメンザ(学食)やカフェ、あるいは個人の部屋で取り、午後はタンデムに参加しました。

 

【ハイデルベルク 小旅行 8月14日】
トリアを離れミュンヘンへと向かう途中、ハイデルベルクに立ち寄りました。街の中心部を散策後、ハイデルベルク大学の図書館を見学しました。その後は各自の関心領域に応じたグループに分かれて見学を行いました。

ミュンヘン(8月14日~15日)

ミュンヘンでは、日中は各自の関心領域に応じたグループに分かれ、美術館や博物館に行ったり、建築物巡りをしたりしました。夜は、皆でビアガーデンに行ってドイツの食文化を体感しました。

・ニュルンベルク 8月16日

ニュルンベルクでは、ナチス党大会の跡地(通称ドク・ツェントルム)を見学した後、城壁で囲まれた旧市街へ行きました。博物館や教会等、各自の関心領域に応じたグループに分かれて見学を行いました。ニュルンベルクソーセージも堪能できました!

 

【レーゲンスブルク・デュルンシュタイン 8月17日】
ニュルンベルクからウィーンへ向かう途中、レーゲンスブルク(ドイツ)およびデュルンシュタイン(オーストリア)に立寄りました。レーゲンスブルクでは、『シンドラーのリスト』のモデルとなったオスカー・シンドラーが戦後住んでいた家を見ることができました。
デュルンシュタインでは、船に乗ってドナウ川クルーズの体験もし、世界遺産であるヴァッハウ渓谷渓谷を見学することができました。

 

ウィーン(8月17日〜19日)

ウィーンでは、美術館・博物館・ハプスブルク家関係・世紀末芸術…各自の関心領域に応じたグループに分かれ、見学を行いました。夜は、市電に乗ってウィーン郊外グリンツィングへ行き、マーラーの墓を見学後、ホイリゲにてオーストリアワインを味わいました。

 【ブダペスト小旅行 8月18日】
ウィーンに滞在中、ハンガリーのブダペストへ行きました。ブタペストでは、老舗レストラン、グンデルにて食事をした後、ブダ城、マーチャーシュ聖堂、三位一体広場、漁夫の砦などを見学しました。またロンドンに次いで世界で2番目に古い地下鉄にも乗車しました。

 

【オロモウツ 8月20日】
ウィーンを出て、クラクフへ向かう途中、モラヴィア地方に属するチェコの都市オロモウツに立寄りました。中心部にあるオロモウツの聖三位一体柱(写真)は、ユネスコの世界遺産に登録されています。聖三位一体柱を見学後、希望者のみレストランにてモラヴィア料理を味わいました。

 

 クラクフ(8月20日~21日)

クラクフは、16世紀末までポーランドの首都として栄えた歴史ある都市で、町並み全体がユネスコの世界遺産に登録されています。ここでは、織物会館、聖マリア教会、ヴァヴェル城、コペルニクスや前ローマ法王ヨハネ・パウロ2世も学んだといわれるヤギェウォ大学を見学しました。その後は、グループに分かれ見学を行いました。

【アウシュヴィッツ強制収容所見学(8月21日)】
アウシュヴィッツ博物館唯一の日本人公式ガイドである中谷剛氏にガイドをしていただきながら、約3時間半、アウシュヴィッツ強制収容所の見学を行いました。

 

プラハ(8月22日〜23日)

各自の関心領域に応じたグループに分かれ、ユダヤ教のシナゴーグ、プラハ城やカレル橋、大聖堂、ミュシャ美術館などを見学しました。

ベルリン(8月24日~25日)

ベルリンでは、バスで市内見学を行った後、ユダヤ博物館を見学しました。その後は、各自の関心領域に応じたグループに分かれ、博物館や宮殿などを見学しました。



【反省会@ベルリン 8月25日】
最終日の夜は、ベルリンのリッツ・カールトンホテルにて研修の反省会を兼ねた食事会を行いました。

成田空港に到着 8月27日

フランクフルト空港から北京を経由して、無事帰国しました!

◆ 参加学生(複合文化論系)からの一言

今回の研修旅行に参加した複合文化論系2年の小菅さん、脇山さん、3年の蒲生さん、福島さんからレポートをいただきましたので、最後にご紹介します。

この研修が初の海外体験でした。団体で行くということと、先生方が引率して下さるということで安心して参加できました。
参加して特に良かったと思うことは、建築物、景色、絵画など、様々な本物を自分の目で見ることが出来たということです。写真でしか目にしたことのなかったケルン大聖堂を間近に見た時の衝撃は忘れられません。今までテレビや本でしか知らなかったものを実際に見たり、体験したりすることがいかに大切かをこの研修で学びました。


また、私は言語に興味があるので、3週間という期間で様々な言語に触れられたということが非常に興味深い体験でした。大陸特有である、国境を越えたという実感が無いのにも拘らず言語は変わって違う国にいるという感覚は、日本では絶対に味わえません。
海外に対する見方が変わる大変貴重な経験でした。将来機会があれば今回訪ねた国々をもう一度巡ってみたいです。
(複合文化論系3年 蒲生なつみ)

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「感性と文化」と聞いて何を思い浮かべるでしょう。おそらくなんとなくイメージできてもそれを言葉にすることは難しいのではないでしょうか。
結論から言うと、この授業を受講しドイツで3週間過ごした私も、明確に言葉にすることは未だ容易ではありません。しかし3週間ドイツで過ごす中で、さまざまな感性・文化またそこからくる差異などを日々自らの身体で感じていました。「百聞は一見に如かず」と言いますが、この授業はまさにその通りです。日本で感性がどうとか文化がどうとか言いあまねいているよりも実際に行って、触れて、感じることの方が何倍にも意義のあることに思います。
またドイツで出会った多くの友人、そして何よりこの3週間寝食を共にし、刺激し合い、助け合い、共に経験した、学部も学年も異なる仲間を得たこともこの授業に参加する上でのとても大きなGiftであったと思います。
かけがえのない経験をできたことに酒井先生はじめすべての方々に感謝します。
(複合文化論系3年 福島達朗)

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このトリア研修の1ヶ月間は非常に貴重な体験であり、人生経験をとても豊かにしてくれた研修になったと思います。それは初めて目にするヨーロッパの美しい風景や街並みに感動し、日を追うごとに新たな文化の違いを発見し、日本とは違ったゆったりと流れる生活時間に羨ましさを覚える日々でした。また、ドイツ以外にもチェコやウィーンなど周辺6ヶ国にも行き、行く先々での名所や名物料理を堪能することができて本当に幸せでした。
「この経験はなにか生かさねばならない、このまま終わらせてしまうのはもったいない」と、そう感じるほど自分にとって特別な1ヶ月となった研修でした。毎日が楽しかったのは、舞台がドイツということもあったと思いますが、やはりそれ以上に1ヶ月間ともに研修に参加した仲間がいたからこそだと思います。学部や学年も様々なメンバーと出会い、たくさんの経験を積むことができて本当に楽しい思い出となりました。この研修に参加してよかったと、今心から思っています。
(複合文化論系2年 小菅千絵子)

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この研修では、普段の生活では得られないものを数多く体験することができ、私は参加できて本当に良かったと心から思っています。
前半のトリア大学での寮生活では、ドイツ語のクラスを受け、トリア大学の学生たちと交流するなかで、ドイツの学生文化に触れ、ドイツでの留学生としての生活を味わうことができました。そして後半2週間の小旅行では、通常の旅行ではできないほど多くの都市を訪れ、各地でその土地ならではの文化を体験することができました。
旅行前はぎこちなかったメンバーも、3週間を共にするなかで仲も深まり、また、団体生活を送ることで、自分の存在を見つめなおすこともできたと思います。旅行を終えた今もなお、トリア大学で出会ったドイツ人や旅行をともにしたメンバーとの交流は続いており、人々との出会いを感じる旅でもありました。
私は、第二外国語でドイツ語を履修した訳でもなく、特にドイツに縁がある訳でもなかった為、研修前は、語学力やドイツに対する知識の薄さなど、不安もありました。しかし、そんな不安も参加しているうちに忘れ、旅の中で東欧に対する興味もわき、様々なものを学びながらも、3週間の旅を大いに楽しむことができました。
新たな発見や出会い、学びが豊富なこの研修は、自分の大学生活の大きな思い出となると思います!
(複合文化論系2年 脇山加里那)


 

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