芸術論

基本情報

科目名
芸術論
副題
西洋美術の観方ー「観る」ものと「観られる」もの
プログラム
感性文化
授業タイプ
講義科目
担当教員
教員、松原哲哉
曜日
月曜日
時限
3時限
教室
36-382(AV教室2)
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

私たちは美術鑑賞といえば、作品をよりよく「観る」ことができるよう、様々な便宜を図ってくれる美術館や博物館で行なうものと考えがちです。そこでは、できる限り詳細かつ分析的に作品を「観る」ことが重視されます。その際もちろん、私たち鑑賞者は「観る」ものであり、作品は「観られる」ものです。
 ただし、このような関係は、鑑賞者が「観る」主体として、また作品が「観られる」対象として明確に位置付けられるようになる近世以降に発達していったものです。中世の人たちが教会で聖なる像と向き合うような場合、鑑賞者と作品の間で成立する「観る」、「観られる」の関係は、これとはまったく違うものだったはずです。
 本講義は、美術鑑賞の基本となる「観る」という行為、さらには鑑賞者と作品を結ぶ視線の方向性や鑑賞者の種類をもとに、西洋美術の大きな流れを捉え直してみようというものです。そこでは、幾分奇妙に聞こえるかもしれませんが、「観られる」はずの作品が鑑賞者を「観る」場合や、「観れない」や「観せない」ことに大きな意味がある場合、更には「観る」ものが生きている人間以外である場合も少なくないのです。

授業計画

 第1回 オリエンテーション
 第2回 「観る」ものと「観られる」もの
 第3回 「観られる」作品の工夫(1)線遠近法
 第4回 「観られる」作品の工夫(2)細密描写
 第5回 「観られる」作品の工夫(3)光の表現
 第6回 「観られる」作品の工夫(4)量感表現
 第7回 「観る」作品の工夫(1)「目」の強調
 第8回 「観る」作品の工夫(2)巨大化
 第9回 「観る」作品の工夫(3)象徴化および表現の拒否
 第10回 「観る」作品の工夫(4)非物質化
 第11回 「観る」作品の工夫(5)逆遠近法
 第12回 さまざまな鑑賞者(1)原始美術の場合
 第13回 さまざまな鑑賞者(2)古代エジプト美術の場合
 第14回 さまざまな鑑賞者(3)古代ギリシャ美術の場合
 第15回 理解度の確認