認知言語学入門

基本情報

科目名
認知言語学入門
プログラム
言語文化
授業タイプ
講義科目
担当教員
教員、酒井智宏
曜日
木曜日
時限
3時限
教室
32-325
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

「ことばの研究」と聞いて真っ先に思いつくものは何でしょうか。この問いに対して「ことばの意味の研究」という答えを思いつく人がいるかもしれません。しかし、意外なことに、欧米の言語学では、意味の研究は後回しにされ、長いあいだ、語の形態や文の構造といった「ことばの形式の研究」ばかりが行われていました。非常におおざっぱに言えば、「ことばの形式を先に研究して、それに後から意味をくっつければ言語の分析が完成するはずだ」と考えられていたのです。この考え方に真っ向から勝負を挑んだのが「認知言語学」と呼ばれる立場です。認知言語学は、「ことばの形式にはことばの意味が反映されており、意味と独立に形式だけを研究したのでは、ことばの本質を捉えることはできない」と考えます。さらに、「ことばの意味はありのままの現実を写し取ったものではなく、人間の世界の捉え方を反映している」と考えます。この講義では、そうした認知言語学の言語観を、従来の理論との相違に注目しながら論じます。

授業計画

1:
第1回
イントロダクション: 認知言語学の言語観
2:
第2回
カテゴリー化(1): 言語記号の恣意性
3:
第3回
カテゴリー化(2): 古典的カテゴリー
4:
第4回
カテゴリー化(3): プロトタイプ・カテゴリーその1
5:
第5回
カテゴリー化(4): プロトタイプ・カテゴリーその2
6:
第6回
カテゴリー化(5): プロトタイプ・カテゴリーその3
7:
第7回
多義性(1)
8:
第8回
多義性(2)
9:
第9回
メトニミー
10:
第10回
メタファー
11:
第11回
文法カテゴリー
12:
第12回
構文(1)
13:
第13回
構文(2)
14:
第14回
文法化
15:
第15回
理解度の確認