複合文化論系演習(日本古典文化の受容と変容)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(日本古典文化の受容と変容)
副題
平安時代文学の受容と変容
プログラム
感性文化
授業タイプ
演習
担当教員
教員、陣野英則
曜日
金曜日
時限
5時限
教室
31-203
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

この演習では、日本古典文化における感性の働き、美意識などに着目し、その普遍性と特異性とをとらえた上で、後代においてその文化がどのように受容されてきたか、またそれがどのように変容しているのかということを検討する。その際、海外での受容と変容にも留意したい。
 今年度は、『竹取物語』『伊勢物語』『枕草子』『源氏物語』という平安時代の代表的な文学に関わるさまざまな文化――具体的には能、翻案小説、漫画、映画等々――における受容と変容のあり方をおさえてみる。また、海外における古典の翻訳にも注目したい。
 「再生」もしくは「新生」される作品は、それぞれが創られた時代、状況の中であたらしい解釈をくわえられつつ、また一方ではジャンルの有する規範、ルールに合わせて創られる。たとえば、少女漫画の世界に置き換えられた平安時代の物語は、当然のことながら少女漫画というジャンルの「文法」に則して創られ、読まれる。そのことをネガティヴにみることもできなくはないが、むしろ古典作品の受容ということをテコにして、後代の、あるいは現代の文化の特質をとらえる方がより意義深いとおもう。さらに、「再生」もしくは「新生」された作品の方が、オリジナルの古典作品がもっている見えにくい特質を照射するということも期待しうるだろう。
 受講者には、授業計画に掲げている作品もしくは課題の中から一つを選んで発表に取り組んでもらう。あわせて、こうした問題に関わる課題図書数点を示し、それについても各自に学んでもらう機会をつくる。詳細は第1回めのオリエンテーションで説明する。

授業計画

1:
第1回 9/30
オリエンテーション、演習でとりあげる諸作品についての簡単な紹介
2:
第2回 10/7
『竹取物語』『伊勢物語』『枕草子』『源氏物語』の概説(1)
3:
第3回 10/14
『竹取物語』『伊勢物語』『枕草子』『源氏物語』の概説(2)
4:
第4回 10/21
平安時代文学と能
5:
第5回 10/28
『伊勢物語』と能『井筒』
 *担当者発表、以下第14回まで同じ。
6:
第6回 11/11
『伊勢物語』『枕草子』と漫画化された作品
7:
第7回 11/18
『枕草子』と橋本治『桃尻語訳 枕草子』
8:
第8回 11/25
『枕草子』と酒井順子『枕草子REMIX』
9:
第9回 12/2
『源氏物語』と谷崎潤一郎『夢の浮橋』
10:
第10回 12/9
『源氏物語』と角田光代「若紫」、町田康「末摘花」(いずれも『源氏物語 九つの変奏』より)
11:
第11回 12/16
『源氏物語』と漫画化された作品
12:
第12回 1/6
『伊勢物語』とその英訳
13:
第13回 1/13
『源氏物語』とその英訳
14:
第14回 1/27
『竹取物語』と高畑勲監督作品『かぐや姫の物語』
15:
第15回 2/3
理解度の確認とまとめ