言語学入門

基本情報

科目名
言語学入門
副題
ヒトは、どのようにして「ことば」に迫ったか
プログラム
言語文化
授業タイプ
講義科目
担当教員
教員、森田彰
曜日
土曜日
時限
3時限
教室
11-710
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

 言語は、人々が日々、半ば無意識のうちに使用しているものです。そして、人々はその中に魔的なものをみたり、identity のよりどころにしたり、単なるコミュニケーションのツールと見なしたり、時には差別の対象ともしてきました。また、言語の方も人間の思考や世界観に影響を与えていると言われています。「言語学」は言語をその研究の対象にしているのですが、言い換えれば、ヒトが言語をどのように見ているか、また、ヒトとことばとの関わりを体系的に論じたものです。また、ある意味で、ヒトとは何かを問うものです。ヒトが、言語にどのように迫り、言語とは何かを、どのような「記述」方法によって説明しようとしてきたか、これらを振り返ることによって、言語学の目指した、そして目指すものを考えていきます。
 言語も他の人間活動と同様、大層複雑なものなので、その実態をより正確に捉えようとするには、様々な切り口が必要です。そうした様々な切り口の主要なものを整理しながら、この地球でヒトにのみ備わったと思われる言語の姿と言語を操る力に焦点を当てて論じていきます。その中には、ヒトがどのように言語を習得するか(したか)も含まれます。それと同時に、言語学がどのような方法で言語を説明しようとし、発展してきたかを見ていきます。
 言語の研究は何よりも「例示」が大切です。多くの受講生の既習外国語である英語と日本語は当然その中心となりますが、主としてヨーロッパの他の言語についても触れていきたいと思っています。
 なお、この講座は、言語学の特定の理論を通して言語のあり方に迫るものではありません。しかし、近代的言語学の黎明から、20世紀の後半くらいまでの言語学、言語へのアプローチの流れを見ていくので、そこまでの言語理論から見た言語の姿を語ることになります。

授業計画

1:
第1回
言語に関する様々な疑問
2:
第2回
言語の役割とは何か。
3:
第3回
ヒトは言語をどう説明してきたか。
4:
第4回
19世紀までの言語を扱う諸学の歩み
5:
第5回
近代的言語学の誕生
6:
第6回
ソシュールの考えたこと・構造と記号
7:
第7回
構造主義言語学・言語分析のレベル
8:
第8回
言語はヒトにのみのものか。
9:
第9回
ヒトは言語をどう獲得したか。
10:
第10回
言語の生物学的基礎
11:
第11回
変形生成文法の考え方
12:
第12回
言語習得・認知と言語学(試験の内容発表)
13:
第13回
言語と社会の関係 全体のまとめ
14:
第14回
理解度の確認
15:
第15回
「理解度の確認」の解説 → この日も必ず出席してください。なお、折に触れ、言語とメディアの関係についても扱います。また、以下の日程と扱う事項は、重なりがあったり、前後したりする可能性もあります。また、資料の解説が2週に亘る場合もあります。Course N/vi でもチェックしてください。