国民国家と文化

基本情報

科目名
国民国家と文化
プログラム
文化人類学
授業タイプ
講義科目
担当教員
寺崎秀一郎、教員
曜日
金曜日
時限
2時限
教室
32-324
授業シラバス
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授業概要

21世紀を生きる多くの人びとにとって「国民国家」は所与の存在であり、帰属すべきものとされている。しかし、長い人類の歴史を見れば「国民国家」がきわめて新しい枠組みであり、人類社会が築き上げてきた「文化」という枠組みと必ずしも一致しない、という事態も生じている。現在、世界各地で起きている民族紛争は、こうした矛盾に起因するとも考えられる。そこで、本講義においては、「国民国家」の中で「文化」がどのように変容し、あるいは、抵抗し、今の世界を形作ったのかを考える。そのため、本講義で取り扱う領域は、人類学はもとより、考古学、歴史学、場合によっては政治経済システムまで多岐にわたる。

授業計画

文化とは何か、国家とは何か、国民とは何か、といった基礎的な概念について解説をおこなった上で、具体的な事例を取り上げていく。本講義では、16世紀におけるスペイン人の侵入を契機とする植民地化により、大規模な文化変容を強いられ、続く19世紀の独立によって国民国家が誕生したラテンアメリカ地域を主な対象とする。古代遺跡や華やかな民族衣装に代表される「文化」の過去と現在が「国民国家」の中でどのように交錯しているのかを読み解く。ラテンアメリカ地域は、現代の日本に暮らす私たちにとって、移民や一部の資源をめぐる経済的な繋がりを除けば、馴染みの薄い地域であることは否めない。しかし、近代世界システムに接合され、現在も低開発状況にある一方で、先住民運動(インディヘニスモ)という形で、アイデンティティの再構築と新たな連帯を模索しつつある同地域は、現在の世界の在り様の縮図といっても過言ではない。受講生諸君も是非この点に留意してほしい。なお、ドキュメンタリー等に触れ、レポートを1〜2回程度課すことも予定している。