言語史の方法

基本情報

科目名
言語史の方法
副題
上代日本語研究の方法と考え方
授業タイプ
講義科目
担当教員
澤崎文
曜日
水曜日
時限
4時限
教室
34-452
授業シラバス
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授業概要

 日本語において言語資料となる文献が初めて存在したのは上代である。上代語は日本語の起源を探る上でも高い価値をもち、また日本語史の原点としても必ず言及されるべきことばである。しかし、上代語の文献は今日における現代日本語を書きあらわしたものとは大きく隔たりがあり、一見してどのようなことばが反映されているのかわかりにくい。
 この授業では、上代語を反映するとされる文献について、まずそこにどのようなことばがどのように書かれているのかを知るために、表記の読み解き方を中心として説明する。このことを通じて、音韻・語彙・文体など、そこに見える日本語のすがたを明らかにする方法も示していく。文献の性格や扱い方、問題点などを概説した上で、文献にあらわれた具体的な言語事象を確認していくことで、日本語史資料としての「みかた」を身につけられるようにしたい。

授業計画

第1回 上代日本語の資料について(ガイダンス)
第2回 上代語と中古語のちがい
第3回 上代語の資料となる文献を扱う際の注意点
第4回 『古事記』『万葉集』『日本書紀』の文献的性格・研究資料
第5回 表記体と文体
第6回 上代語資料の訓
第7回 万葉仮名① その種類と成り立ち
第8回 万葉仮名② その用法と実態
第9回 万葉仮名があらわす上代日本語の音韻
第10回 万葉仮名があらわす上代日本語の語彙
第11回 漢字と仮名とを分けるものは何か
第12回 『続日本紀』宣命の日本語
第13回 木簡・その他の文献の日本語
第14回 上代日本語の研究史
第15回 まとめと理解度の確認