複合文化論系演習(意味と文脈)
基本情報
- 科目名
- 複合文化論系演習(意味と文脈)
- 授業タイプ
- 演習
- 担当教員
- 酒井智宏
- 曜日
- 木曜日
- 時限
- 2時限
- 教室
- 31-202
- 授業シラバス
- [シラバスへのリンク]
授業概要
「ことばの意味」を研究する学問分野には「意味論」のほかに「語用論」があります。「意味論」はその名のとおりですが、どうしてこれとは別に「語用論」なる分野が存在するのでしょうか。それは、言語表現が実際の文脈中で用いられることにより、プラスαの意味が伝わることがあるためです。そこで従来、「意味論 = 言語表現の辞書的意味 (文脈独立的意味)を扱う分野」、「語用論 = 言語表現が文脈中で使用されたことによって伝わるプラスαの意味を扱う分野」という棲み分けが行われてきました。しかし、近年の語用論では、文脈中でプラスαの意味が生まれるだけでなく、辞書的意味自体が変容することがある (あるいは常に変容する) ことが指摘され、意味論と語用論の棲み分けは従来考えられてきたほどすっきりしたものではないと考えられるようになっています。さらに、1980年代に成立した認知言語学では、意味論と語用論の間に明確な境界線を引こうとすること自体に意味がないと考えられています。この演習では、意味論と語用論の関係についての議論を読み解き、日常なんとなく言われる「ことばの意味は前後の文脈に依存する」ということが具体的に何を意味するのか考えます。
授業計画
第1回:意味論と語用論の区別の概観
第2回〜第15回: 文献講読・討論
第2回〜第15回: 文献講読・討論