言語史の方法

基本情報

科目名
言語史の方法
副題
上代日本語研究の方法と考え方
授業タイプ
講義科目
担当教員
澤崎文
曜日
月曜日
時限
3時限
教室
33-331
授業シラバス
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授業概要

日本語において、まとまった言語資料となる文献が初めて存在したのは、上代であった。上代語は日本語の起源を探る上でも高い価値をもち、また日本語史の原点としても必ず言及されるべきことばである。しかし、上代語の文献は今日における現代日本語を書きあらわしたものとは大きく隔たりがあり、一見してどのようなことばが反映されているのかわかりにくい。
 この授業では、上代語を反映する文献について、まずそこにどのようなことばがどのように書かれているのかを知るために、資料の読み解き方を中心として説明する。このことを通じて、音韻・語彙・文体など、そこに見える日本語のすがたと、それを明らかにする方法も示していく。文献の性格や扱い方、問題点などを概説した上で、文献にあらわれた具体的な言語事象を確認していくことで、日本語史資料としての「みかた」を身につけられるようにしたい。

授業計画

第1回
日本語とは何か(ガイダンス)

第2回
上代語と中古語のちがい

第3回
上代語の資料を扱う際の留意点

第4回
『古事記』『日本書紀』『万葉集』の文献的性格・研究資料

第5回
表記体と文体

第6回
上代語資料の訓

第7回
万葉仮名① 種類と分類

第8回
万葉仮名② 成り立ちと用法

第9回
万葉仮名があらわす上代日本語の音韻

第10回
万葉仮名があらわす上代日本語の語彙

第11回
漢字と仮名とを分けるものは何か

第12回
上代語の位相① 『続日本紀』宣命の日本語

第13回
上代語の位相② 木簡・その他の文献の日本語

第14回
日本語史における上代日本語

第15回
まとめと理解度の確認