複合文化論系演習(芸術思潮の越境)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(芸術思潮の越境)
副題
越境する芸術—ポスト・メディウム的映画を構想する
授業タイプ
演習
担当教員
田中綾子
曜日
月曜日
時限
2時限
教室
33-439
授業シラバス
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授業概要

 20世紀以降の芸術にとって「越境」とは新たな創造の源泉です。
 「越境」は、国境・エスニシティ・ジェンダー・文化的領域・ジャンル・メディウムなどの既存の形式・制度・枠組みを横断し、時に侵犯・撹乱することで新たな芸術を生み出す力となっています。単に二つ以上の領域(絵画と音楽、芸術と科学など)に股がって作品を制作している、またはマルチメディアを使用している作品だから「越境」的なのではありません。「越境」性を持つ芸術とは、異種の新たな結合によってその作品の背後から立ち上る思想とその表象される形に内在的な撹乱性と創造性を持つものです。
 この授業では、前半で、上記のような意味での「越境」性を持つ芸術家を各自1人取り上げて、その芸術家について発表してもらいます。後半では、前半の個人発表の中からとりわけ興味を引いた「越境の芸術家」を選び、その芸術家についてのアート・ドキュメンタリー作品(映画)をグループごとに企画・構想し、発表してもらいます。
 発表とディスカッションを通して、芸術における「越境」とは何か?について、考えを深めていきたいと思います。

 【発表について】
 前半:個人発表。「越境する芸術家」をテーマに、20世紀以降の国内外の芸術家の中から自由に選出してもらいます。一度発表された作家は再度選べません。その芸術家について(概要と代表的作品とコンセプト、その作家の越境性は何か?)発表してもらいます。発表はビジュアルを使用したプレゼンテーション形式とします。レジュメを作成して下さい。

 後半:グループ発表。前期の個人発表の中から投票で数名の芸術家を選び、グループに分かれます。(※選出する芸術家の数やグループの人数は受講者数により決定します。)班ごとに、その芸術家の映画を企画・構想します。その企画案を発表してもらいます。前半同様、発表はビジュアルを使用したプレゼンテーション形式とします。プレゼンテーションの方法もクリエイティブなものになるよう自由な発想を求めます。レジュメを作成して下さい。

授業計画

第1回/ 第1回 オリエンテーション+導入授業
芸術における「越境」とは何かを考える。ブレインストーミング。

第2回/ 第2回 講義:「越境の芸術家・荒川修作+マドリン・ギンズについて」
越境の芸術家について発表してもらうにあたり、一例としてコーディノロジストの荒川修作+マドリン・ギンズについて講義します。

第3回/第3回 個人発表①
「越境の芸術家」についての個人発表&質疑応答

第4回/第4回 個人発表②
「越境の芸術家」についての個人発表&質疑応答

第5回/第5回 個人発表③
「越境の芸術家」についての個人発表&質疑応答

第6回/第6回 個人発表④
「越境の芸術家」についての個人発表&質疑応答

第7回/第7回 個人発表⑤
「越境の芸術家」についての個人発表&質疑応答

第8回/第8回 個人発表⑥
「越境の芸術家」についての個人発表&質疑応答

第9回/第9回 講義:「アート・ドキュメンタリー」
越境の芸術家を追ったアート・ドキュメンタリーを鑑賞&ディスカッションと班分け

第10回/第10回 グループワーク①
班に分かれて、映画の企画・構想を練ります。

第11回/第11回 グループワーク②
構想した映画の構成をまとめていきます。

第12回/第12回 グループ発表①
企画した映画についてのプレゼンテーション&ディスカッション

第13回/第13回 グループ発表②
企画した映画についてのプレゼンテーション&ディスカッション

第14回/第14回 グループ発表③
企画した映画についてのプレゼンテーション&ディスカッション

第15回/第15回 総括
芸術における越境について、再度ディスカッション。