東アジアの美術工芸

基本情報

科目名
東アジアの美術工芸
副題
異文化との接触と変容する価値
授業タイプ
講義科目
担当教員
楢山満照
曜日
金曜日
時限
3時限
教室
38-AV
授業シラバス
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授業概要

 「china」といえば陶磁器(やきもの)、「japan」といえば漆器、という意味があるように、東アジア世界の手仕事は、これまで西洋世界で驚嘆のまなざしで受け止められ、羨望の的にもなりながら、確固たる地位を築いてきました。そこで本科目では、主に東アジアの美術工芸に焦点を当て、それが異文化と接触し、受け入れられ、新たな価値を付加されてきた様相を追いながら、自他の文化理解を促す文化史的考察を試みます。
 取り上げる対象は、金工品、陶磁器、玉器などになります。超絶技巧を駆使したそれらの作品群は、とりわけ中華帝国の威信そのものでもありました。そしてそれらは、東アジア文化圏での交流の場だけではなく、時には西洋世界との政治交渉の場において影響力をもつことさえありました。そのような東洋世界の作品群に対して、西洋世界は何を求め、それをどう理解し、どう利用してきたのか。本科目では、異文化交流の視点から、そうした芸術と政治の接点について分析していきます。

授業計画

 本科目は、異文化の接触と交流の場における美術工芸の作用を、文化史的な関心から分析するものです。よって、個別具体的な様式や技法の変遷といった歴史的考察に積極的に関心をもつ必要は必ずしもありません。ただし、「他者理解」という現代的で恒久的な問題について常に関心をもち、身近な美術工芸の話題をその問いに還元しながら、自ら主体的に考えていくことが求められます。