複合文化論系演習(国民文学から世界文学へ)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(国民文学から世界文学へ)
副題
海外文学原作の「テレビドラマ(化)」を読みとく 【翻案(アダプテーション)としてのテレビドラマ】
授業タイプ
演習
担当教員
柿谷浩一
曜日
金曜日
時限
6時限
教室
33-439
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

 昨年、世界的な“名作”として長く親しまれ評価を受ける海外文学を、設定やテーマ、モチーフ、キャラクター等のあらゆる面で、見事に「現代日本の物語」へと変換=翻案してみせた一つのドラマ作品がありました。それが、アレクサンドル・デュマの同名小説を原作とした、ディーン・フジオカ主演『モンテ・クリスト伯~華麗なる復讐~』(フジテレビ)です。視聴率は高くありませんでしたが、原作との興味深い異同とともに、時代や地域をこえた「普遍的な主題」の描き方や表現方法、演出など見所が多く、秀逸な作品でした。その数は決して多くはありませんが(それゆえ、考察の意味も出てくるわけですが)、これら海外文学原作のテレビドラマ作品は《異文化/異言語の対話・葛藤・接触》の場に他なりません。
 本演習では、世界的に有名な文学作品を「ドラマ化」した作品について、その作品生成や受容のあり方を、「翻案」「脚色」「リメイク」さらには「メディアミックス」といった問題とともに、多角的に考察していきます。具体的に取り上げる作品は、『モンテ・クリスト伯』(2018、フジテレビ)のほか、近作からノーベル賞作家のカズオ・イシグロ原作の、綾瀬はるか主演の『わたしを離さないで』(2016、TBS)。またダニエル・キイス原作の、山下智久主演『アルジャーノンに花束を』(2015、TBS)、ユースケサンタマリア主演『同』(2002、フジテレビ)を予定します。これ以外にも、希望する作品があれば、発表対象として検討してもらっても構いません。

 【授業の具体的な進め方】
 ・受講人数にもよりますが、「個人発表+ディスカッション」の形式を中心とします。その前後で、ミニ講義回(教員による発表)を挟みます。
 ・発表は1人「30分」の個人発表。それを受けて、毎回、受講者全員でディスカッションを行います。レポート提出等はありません。
 ・これ以上の制限はあまり設けず、可能な限り皆さんの意向や要望を尊重し、取り入れていく形にしたいと思いますが、単なる作品論ではなく、演習のテーマに掲げられている通り、作品の関連性・互換・影響等に少しでも触れて、言語表現や異文化接触といった「複合文化論系」らしい問題の中で自由な考察をしてほしいと願います。
 ・講義回以外は、私もディスカッションの参加者のひとりです。日本文学・文化、ポップカルチャーの観点から発表に対してコメント等はもちろんしますが、それ以降は「先生」というよりは、一緒に考える「仲間」でありたいというのが願いです。活発に、対等に、対話をし合えたら素敵じゃないですか。
 ・講義『愛の諸相』の対話・議論篇のような教室になれば、とも思っています。

授業計画

第1回
オリエンテーション

第2回
導入講義①

第3回
導入講義②

第4回
個人発表(①ターン)

第5回
個人発表(②ターン)

第6回
個人発表(③ターン)

第7回
個人発表(④ターン)

第8回
個人発表(⑤ターン)

第9回
個人発表(⑥ターン)

第10回
個人発表(⑦ターン)

第11回
個人発表(⑧ターン)

第12回
個人発表(⑨ターン)

第13回
個人発表(⑩ターン)

第14回
個人発表(⑪ターン)

第15回
まとめ+打ち上げ