2009年度 秋期開講授業一覧

「 講義科目 」

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  • 2009年度 秋期
  • 月曜日 2限
  • 文化人類学プログラム

東南アジアの社会と文化2

担当教員
: 三浦恵子
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: 東南アジア||社会と文化

植民地化以降の東南アジア社会と文化の変容を歴史的、文化・社会人類学的視座からを学ぶ。東南アジア社会は、宗教儀礼、狩猟採集、農耕、交易などを中心とした様々な社会の興亡するダイナミックな地域から植民地時代と以後の国民国家形成と国境設定を経て、急速に現在の世界的な政治経済的なシステムに組み込まれ、伝統文化と社会もそれに伴って大きく変容してきた。こうした急激な社会統治の確立がそれぞれの歴史の段階で社会と文化に与えてきた影響は大きい。植民地主義、民族主義、国民国家主義、共産主義や戦争の社会や文化への影響を具体的な事例を通して考察していく。その影響の中には、社会組織や男女の役割の変化、農村人口の都市化、都市の肥大化とスラムの形成、環境破壊、小数民族集団の周辺化、文化の観光化、性産業とエイズの蔓延などがある。近代化の過程で確立してきた公教育と伝統的な価値観や宗教がどのような相互作用をもっているのか、そして伝統文化と近代化の狭間で、人々はどのような選択をして生きているのか。これらの問題を相互関連性に注目しながら、近代から現代までの東南アジア地域の文化と社会の変遷やその意義についての理解を深めてゆく。

  • 2009年度 秋期
  • 月曜日 2限
  • 感性文化プログラム

美の制度

担当教員
: 小田部胤久
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: 美の制度

プラトンから20世紀末にいたるまでの西洋美学史から重要なトピックを毎回1つずつ取り上げ、「芸術」の理念の変 遷を明らかにする。

美学とは美・芸術・感性という三つの主題を扱う複合的な学問であるので、本講義では主として芸術の理論に注目 しつつも、必要に応じて感性の問題に触れることにする。

美学の歴史を論じることをとおして私たちのよって立つ美学の今日を照らし出すことが、本講義の狙いである。

  • 2009年度 秋期
  • 土曜日 2限
  • 文化人類学プログラム

文化人類学の最前線2

担当教員
: 西村正雄||糸林誉史||成田弘成||三浦恵子||森本豊富
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: 文化人類学

文化人類学は、人間を総合的に扱う学問として知られる。文化人類学の発達の中で、従来研究の対象としてきたのが、いわゆる辺境と呼ばれる地域に存在する、比較的規模の小さい社会であった。
  しかし、世界システムが急速に拡大し、グローバリゼーションがいたるところで唱えられている今、文化の境界が極めて不明確となってきている。こうした状況 の中で、2つの大きな傾向が見られる。一つは、文化人類学の終焉を唱えるグループであり、他は、文化人類学が過去自ら培ってきた知識と研究方法を、積極的 に「現代の文化現象」の分析と解釈に応用してゆこうというグループである。
 本科目では、この後者に重点を置きながら、授業の目的を、文化人類学 という学問が、今どのような状況に置かれているのかを示し、それぞれの細分野での最新の研究成果を分かりやすく解説してゆき、その上で文化人類学が、私た ち人間が考えてゆくべき方向性について、どのような問題提起を行なっているのか、それに対して自らどのような答えを導き出そうとしているのか、示すことを 目的としている。
 授業では、現代世界を文化人類学がどのように見て、分析しているのか、どのような点に着目しなければならないのか、そしてもしそれの問題を分析してゆくとしたらどのようなアプローチがあるのか、理論と方法論を見ながら、それぞれ具体的な個別のトピックを論じてゆく。

  • 2009年度 秋期
  • 火曜日 2限
  • 言語文化プログラム

言語研究の諸相4(社会言語学)

担当教員
: 田中ゆかり
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: 日本語||言語

「日本語」とひとくちにいっても、実際にわたしたちが日常において運用する「日本語」は、さまざまな局面において異なる表情をみせる。話し手による違い、 場面による違い、使用するメディアによる違い、話者の気分による違いなどによって多彩な「日本語」が立ちあらわれる。また、社会の変化にともない、日本語 を第1言語としない居住者や滞在者の増加が著しい。その結果、「日本」における言語環境や言語政策も変化してきた。このクラスでは、現代の日本語がみせる さまざまな表情や、現代日本における言語環境や言語政策にかんするいくつかのトピックをとりあげ、社会言語学的視点から検討していく。
 講義を中心にすすめるが、適宜コメント票で受講者の言語体験・コメントを取り入れる。講義の後半では、希望者を募り、講義においてとりあげたトピックを発展させた発表に基づく討議を行なう予定。教科書・印刷教材のほか、適宜視聴覚教材を用いる。学期末にレポートを課す。

  • 2009年度 秋期
  • 水曜日 2限
  • 感性文化プログラム

現代美学の射程

担当教員
: 酒井紀幸
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: 美||美学||芸術||文化

「芸術という人間の活動が、創造的であると考えられることになったのは、いつごろなのだろうか。」「そしてそれは何故なのだろうか。」こういった問いから まずはじめる。模倣のない創造などというものが、私たち人間にとって本当にあるのだろうか。私たちは、デジタル時代に生きて、まさに「反復」を強いられて いる。いたるところにある「同一」のもの。ラジオから、テレビから…。見たり、聞いたりするに耐えられないほど多くの複製品が、私たちの存在を軽くしてい るのではないだろうか。みな同じように見えるのっぺらぼうの世界。――こんな今日の状況をさまざまな例を顧みながら、場合によっては過去にたちかえりつ つ、芸術と創造、さらには私たちの生き方について検討する。そのうえで、美、あるいは醜を求める人間の「偏愛」が、芸術においていかに重要であるかを見て ゆくことにする。創造と模倣、あるいは反復がけっして対立項ではないことを見ることになるであろうし、消費へと駆り立てられる現代人があえて模倣を創造と 考える論理も検討する。そのさいには、もちろん、諸文化圏の構造的な差異が、いかに異文化を異文化として際立たせているかという点も見ることになるであろ う。
 これらの点をふまえたうえで、現代における美学の問題関心と具体的な芸術作品とを手がかりとして「芸術」の諸相について検討してゆく。そして最終的には現代における「美」の概念の行き着く先を見定めることができればと考えている。

  • 2009年度 秋期
  • 木曜日 2限
  • 言語文化プログラム

形態論・統語論

担当教員
: 上野義雄
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: 言語||形態論||統語論||言語学

指定の教科書(英文)と授業中に配布するプリントを用いて形態論と統語論の基礎を学ぶ。言語とは何か、言語学とは何かを概観した第1章に目を通してから、 解説を加えながら形態論と統語論の章を読んでいく。毎回10から15ページほどの英文を読んでもらうことになる。この教科書にはさまざまな現象について英 語のみならずいろいろな言語の例が出てくるが、日本語ではどうなっているのかを常に考えてもらう。また、章末には多数の演習問題があるので、授業中ないし は課題として取り組んでもらう。参考書は担当教員のホームページに発表する。教室では予習を前提として講義を進めるので、毎回教科書の指定の範囲を読み理 解できない点を明確にしてから授業に臨むこと。授業中に不明な点は積極的に質問すること。なお、出欠確認と積極的授業参加の評価をしやすくするために座席 を固定する。1回目の授業では座席を決めるので必ず出席すること。

  • 2009年度 秋期
  • 金曜日 2限
  • 感性文化プログラム

芸術論

担当教員
: 馬場朗
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: 美学||芸術

18世紀の西欧美学を、フランスを中心にしつつ幾つかの問題圏に即して分析・検討します。西欧の18世紀は、今日の美学・芸術上の言説にある種の影響力を 未だ保持している諸概念を生み出し、所謂近代的西洋美学の礎が築かれた時代です。「天才芸術家」、「山々などの荒ぶる大自然への憧憬」、「美的なるもの (美そのものではなく、崇高、優美など)」といった現代に身近なテーマもまた、この時代の西欧の産物とも言えますし、「機械」というテーマもまた精神主義 か進んでいたこの時代の美学にとって思いがけぬ形で脚光を浴びたものでありました。成る程、フランスの18世紀は、従来のドイツ中心の近代美学史ではそれ ほど脚光を浴びていた訳ではありませんが、しかしこの時期の形成期の近代美学にとって極めて中心的な芸術動向と言説を展開していました。本講では、文字、 起源論、ピュグマリオニズム、ジャンル論争、山、廃墟、感情、趣味と食、機械といった問題圏に特に注目しながら、この時代のフランスを中心とする西欧美学 の問題点及び現代的な可能性についても考えていきたいと思っています。

  • 2009年度 秋期
  • 火曜日 3限
  • 言語文化プログラム

言語研究の諸相1(言語類型論)

担当教員
: 飯嶋一泰
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: 日本語||言語

日本語は特殊な言語である、という言説が世間に広まっています。はたして本当でしょうか? 仮に英語がノーマルな言語であるとすれば(仮定法過去!)、た ぶん、日本語は特殊といえるでしょう。しかし、日本語が本当に特殊かどうかは、世界中の言語を調べてからでなければ言えないはずです。とはいえ、世界には 数千もの言語があり、これらをすべて勉強するには、人は少なくともメトセラ(創世記5章21節以下参照)の何十倍も生きなくてはならないでしょう。これは どんなにがんばっても無理ですね。では、どうすればよいかというと、世界の諸言語のうち、できるだけ系統・地域・タイプの異なるものをサンプルとして集 め、それらの特徴を分析するわけです。このようなことをする学問を言語類型論(language typology)と呼びます。もともとは19世紀前半のドイツで誕生した学問ですが、現代言語学においてもチョムスキーらの演繹的・理論的な生成文法 (generative grammar)に対置される帰納的・実証的研究として注目されています。言語類型論は、その性質上、一般には(そして大半の言語学者にとっても)全くな じみのない少数言語の例を引き合いに出すことが多いのですが、本講義ではできるかぎり「有名」な言語の例を用いるべく努めます。そして、つねに日本語と対 照することにより、皆さんにとっても私自身にとっても実感のできる話をしたいと思います。

  • 2009年度 秋期
  • 水曜日 3限
  • 異文化接触プログラム

民族音楽論

担当教員
: 早稲田みな子
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: 音楽||民族

世界の諸民族の音楽・芸能を紹介し、音楽構造や理論の多様性、音楽と歴史・宗教・社会とのかかわり、音楽の意義・役割、音楽文化の流動性・可変性等につい て様々な観点から考察する。取り上げる地域は、アフリカ、アメリカ(アフリカ系アメリカ及びハワイ)、インドネシア、インド、イスラム圏、中国を予定して いる。具体例を通じて、音楽に関する既成概念や価値観を見直し、異文化・自文化に対する認識・態度について改めて考える機会を提供したい。

  • 2009年度 秋期
  • 月曜日 4限
  • 異文化接触プログラム

NPO・NGOと異文化コミュニケーション

担当教員
: 生江明
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: NPO||NGO||異文化

現代世界の中で民間開発協力団体、非営利団体の果たす役割は重要であり、大きな成果を上げているものもある。この運動を構成し、運営していくにあたってはいかなる要素が求められているのか。教員の経験をもとに、異文化コミュニケーション系の団体の活動と、その活動における困難性、また具体的な成果について、平和学やジェンダー論の視点を取り入れつつ講義を行う。これからの世界の平和を実現していくために行われるべき活動についての見通しを獲得することが講義の目標である。
 民間の非営利公益団体であるNPO・NGOは、「公益」を追求し、支援する立場から、対象となる人々や社会のwell- beingを実現することを意志するものであり、決して破壊することを意志するものではない。しかし、その主観的善意は、相手の人々へのharmfulな行為でないことを保証するものでもなく、また時には、「無邪気な暴力」となる場合すらある。異文化コミュニケーションならぬ文化的帝国主義の可能性である。
 この講義においては、講義と共に、受講生によるワークショップを行うことを通して、受講生自身の文化(自明性の体系)を捉えることを試みる予定である。それは自らの主体を明らかにすることを通して、他者とのコミュニケーションが果たされるからであり、そのプロセスが本講の理解を深めることを期待するからである。
 事例として扱うのは、日本、中国、フィリピン、インドネシア、カンボジア、ラオス、タイ、バングラデシュ、パキスタン、スリランカなどアジア社会、そしてアフリカのケニアの事例である。

  • 2009年度 秋期
  • 土曜日 4限
  • 比較文学プログラム

翻訳とその諸問題

担当教員
: 小林茂
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: 翻訳||文学

私たちは翻訳で文学作品を読みます。
これはやむを得ないことで、文学作品を生み出しているすべての言語を自由に読みこなすことは、ありえないことです。
さてそこで、私たちは翻訳を読む。
しかしそこで問題が生じます。
文学テキストは、言語による構築体です。ですからそのテキストを作り上げている言語のあらゆる特性のもとに成立している。しかもその言語を母語とする、ある時間空間の中にある言語集団の文化の中から生まれてきている。
ではその作品を翻訳によって読むというときに、いやその前に、その作品を翻訳するというときに、何が起こっているのか。
これは単なる、翻訳技術の問題にとどまらないのです。この時間も、翻訳の技術指導を提供するものではありません。
一方で、翻訳と名乗って提供されるテキストにも、さまざまなものがあります。
原テキストは単一でも、翻訳は受け入れる側の、言語その他の状況によって、翻訳は常に新しく生まれ変わることを求められる側面もあります。
この時間では、「翻訳」という、外国文学受容には不可欠な方法が持つ問題のさまざまを取り上げて考えることにします。
そのなかで、すでに長い外国文学翻訳移入の歴史を検証するために必須な、翻訳書総目録のようなものさえ存在していないことも、私たちは問題にしなくてはならないでしょう。

  • 2009年度 秋期
  • 火曜日 4限
  • 文化人類学プログラム

文化人類学2

担当教員
: 蔵持不三也
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
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Keywords
: 文化人類学

文化人類学は理論と実践をつなぐインターフェイスを目指す学問である。それゆえ、絶え間なく変動する社会とともに、文化人類学の理論、分析視角も劇的に変 化を遂げてきた。今日、どんな理論的立場にたつ人類学者であっても、ただ1つのアプローチでこの複雑な社会を捉えるのは不可能であるという点においては合 意に達しているであろう。
 本講では、複雑に分岐する現代人類学の諸問題を検討し、その課題に迫ってゆく。

  • 2009年度 秋期
  • 水曜日 4限
  • 比較文学プログラム

比較神話の世界

担当教員
: 兼利琢也
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: 神話

比較研究は,起源を共有する一分野における分枝的発展・変遷とその本質を,各要素の比較を通して解明する学問(印欧語族の諸神話を扱う比較神話学はその典 型)だが,本講義で扱うのは,そうした求心的研究ではなく,逆に原型的主題の変奏の比較,その差異の現れの諸相である.具体的には,ギリシア神話(異教古 典で形成されたその典型像)を一応の基準として,影響と関係性に直接的連関の明らかな中世以降の西洋文化におけるその受容と変容を芸術全般──文学 (詩),美術(建築も含む)など──の中に,可能であれば現代に到るまで,その展開を探る.西洋の教養の基盤は西洋古典である以上(前世紀後半以降は少し 事情が異なる),あらゆる時代にその影響が現れているのは自明である.この講義で取り上げられる事例は,基本的に各時代の芸術家の自覚的な取り組みと創造 であり,本来は各分野の専門家の研究に委ねられる対象だが,私なりに一古典学徒の目に映った形象の変形を中心に紹介考察していきたいと思う.中世・初期ル ネサンスよりも近世以降,とくに19世紀が中心になる(神話を主題としない場合もある).今回の講義を通じて,現代にもなお力強く生きる古典古代の文化的 生命力を確認するにとどまらず,神話そのものとその人間理解について新たな発見ができることを願っている.

  • 2009年度 秋期
  • 金曜日 4限
  • 異文化接触プログラム

言語と文化

担当教員
: 神岡理恵子
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: 文化||言語

この講義では、言葉と文化について、それらが誕生した背景にも触れながら、ある言葉や文化を別の国の言葉や文化にどのように「変換」することができるかに ついて考えます。近年「カワイイ」「萌え」といった日本の言葉や文化が世界の若者たちの間に広がったり、「もったいない」という日本語とその概念が世界で 注目されたりしています。このように日本で生まれた言葉や文化は、果たして世界の国々でどのくらい「正しく」理解されているのでしょうか。あるいは自国流 にアレンジして受容されているのかもしれません。日本発のものだけでなく、世界の言葉や文化をわたしたちがどのように受容してきたかについても取り上げま す。文学、演劇、映画などのテクストに触れながら、翻訳/通訳の問題についても考えていきます。

  • 2009年度 秋期
  • 月曜日 5限
  • 感性文化プログラム

死の制度

担当教員
: 堀内正規
授業タイプ
: 講義科目
教室
: 
授業シラバス
: [シラバスへのリンク]
Keywords
: 死||制度

この講義では、〈死〉というテーマをめぐって、どのようなすぐれた表現があるのかを、わたしなりの(片寄った?)視点から具体的な事例に沿って考えてみた いと思います。わたしの研究者としての専門はアメリカ文学なので、この授業でとりあげる対象は、すべて日本とアメリカのものに限定されます。なるべく型に はまらないように、と言えばカッコいいけど、要するに全体の方向が見えないまま、手探りで、現代に近いところからも作品を選んで語ってみます。体系を示す ような授業ではありませんので、みなさんが部分的にであっても毎回何か感じたり考えたりするヒントを提示できるような講義をめざします。
 まずイ ントロダクションをかねて藤原新也の(新版)『メメント・モリ』を入口とし、『納棺士日記』と『おくりびと』、『千の風になって』、宮沢賢治、三橋節子、 『悼む人』、『決壊』、『苦界浄土』、『もののけ姫』とマンガ版『ナウシカ』など、アメリカのものとしてはマーク・ドウティの詩とエッセイ、ホイットマン とディキンスン、『救命士』、『ミリオンダラーベイビー』、ティム・オブライエンなどを取り上げてみる予定です。
 身近な他者の死、自らの死、一 般的な人間の死、大量死、生命の死、普遍的な死の観念など、死に向き合う姿勢はさまざまです。しかし〈死〉がなければ、おそらく芸術表現そのものはきわめ て重要な何かを失うでしょう。もちろん、〈死〉はわたしたちひとりひとりの問題でもあります。あまり偉そうな物言いはこの授業ではしたくありません。わた し自身がどれだけ〈死〉をわかっているのか、どれだけ深く〈死〉を語れるのか、まったく心もとないからです。
 すぐれた表現によってわたし自身何かを学ぶようなつもりで、講義したいと思います。

複合文化論系のイベント

第2回 ファッション/社会文化研究会
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複合文化論系メール(複合文化論系生限定)
早稲田大学 文化構想学部 食の文化研究会公式サイト
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