複合文化論系演習(ジャンルの成立と伝播)
授業基本情報
- 開講年度:2010年度 春期
- 科目名:複合文化論系演習(ジャンルの成立と伝播)
- 副題:小説の成立と展開
- プログラム:比較文学
- 授業タイプ:演習I
- 担当教員:小林茂
- 曜日:火曜日
- 時限:6限
- 使用教室:戸山 32-323
- 早稲田大学シラバス:[シラバスへのリンク]
- Keywords:美術||文学||小説
授業概要
«ジャンル»とは、芸術表現の上で、雛型のようにはたらく、ある共通の形式のことを示すのだと、まずは考えておいてください。言葉によって作り上げられる文学のなかで、たとえば、出来事を語る形式があります。しかもこれもまた、さまざまな特別の形式に区分することができるのです。叙事詩も、コントも、出来事を語っていはしないでしょうか。しかしその語りのありかたは、まったく同じではない。「物語る」というきわめて大きな枠組みで考えれば、どちらも同じジャンルであって、しかも、その言葉の働き方は、違っています。しかも、一度生まれた形式は、たとえば言葉の垣根を越えて、広く伝播していきます。そしてさらにより細かな区分を生み出してさえも行くのです。
さてそこまでも前置きにして、今年のこの時間では、おそらく今日最も普及している語りのジャンルである「小説」というものを考えてみます。
今日私たちが「小説」ととらえているものの形が、ヨーロッパで現れたのは、いつのことだったか。
さまざまなとらえ方があり得ますが、ひとまず、18世紀と19世紀境目あたり。市民社会が成立する頃だったと考えておきます。これが、練り上げられていくのが、19世紀の間。さらに20世紀にはいって、その表現の可能性は、大きく発展しました。
ところで、日本では小説はどのように始まったのでしょうか。
明治以前には、今日考える「小説」はなかった。「小説」は輸入されたのです。
そこで、この演習では、初めに«ジャンル»という考えについて考え、次に「小説」という«ジャンル»について、その展望の仮説を示してから、その展望に従って、西欧と日本の小説を取り上げて、時代順に読んでみようと思います。それぞれ分担を決めて、ただしもちろん全員が読んでくることにして、教室での議論を通じて、「小説」の成立と、伝播(これは狭義には、日本への伝播と考えましょう)、そして発展(とくに19世紀小説から20世紀小説へ)のおよそを概観してみようと思います。
小説を読むことの好きな人たちの参加を待ちます。
授業シラバス
第1回 «ジャンル»という考え方
第2回 「小説」というジャンル
第3回 何を読むか:取り上げるべき作品について議論して選択
第4回 選択した作品を取り上げて議論:小説の始まり
第5回 選択した作品を取り上げて議論:18世紀の小説
第6回 選択した作品を取り上げて議論:19世紀の小説
第7回 選択した作品を取り上げて議論:19世紀の小説
第8回 選択した作品を取り上げて議論:日本への小説の導入
第9回 選択した作品を取り上げて議論:日本への小説の導入
第10回 選択した作品を取り上げて議論: 20世紀小説
第11回 選択した作品を取り上げて議論: 20世紀小説
第12回 選択した作品を取り上げて議論: 20世紀小説
第13回 選択した作品を取り上げて議論: 小説とその他のジャンル
第14回 選択した作品を取り上げて議論: 小説の可能性
第15回 理解度の確認

