複合文化論系演習(移民社会と地域文化)
授業基本情報
- 開講年度:2010年度 春期
- 科目名:複合文化論系演習(移民社会と地域文化)
- 副題:中国朝鮮族の移民史から見る東アジア地域の教育と文化
- プログラム:異文化接触
- 授業タイプ:演習II
- 担当教員:島善高
- 曜日:水曜日
- 時限:6限
- 使用教室:戸山 32-225
- 早稲田大学シラバス:[シラバスへのリンク]
- Keywords:文化||アイデンティティ
授業概要
授業の概要
中国朝鮮族は朝鮮から越境移民して140年の歴史を経て、現在中国国籍を持ち、朝鮮民族であるという共通のアイデンテイティを持っています。延辺朝鮮族自治州は朝鮮族の集居地域で、地理的に中、朝、露三国の境界に位置し、日本海に面しています。
延辺はかつて間島と呼ばれていた地域で、間島はほぼ朝鮮人移民によって開拓され、朝鮮人移民は間島からさらに北満へと足を伸ばしました。日露戦争後日本は間島に勢力を及ぼし、1909年清朝と「間島協約」を締結してさらに勢力を拡大しました。中国は朝鮮人は日本の満洲侵略の先駆であるとみなし排除運動を展開しました。1932年、満洲国が成立し、朝鮮人は日本帝国臣民であると同時に満洲国民であるとして位置づけられました。1945年8月以降満洲国崩壊後、朝鮮人は新たな人口移動を余儀なくされました。朝鮮族の移民史は東アジアの国家、民族、アイデンティティの縮図であります。
本授業では中国朝鮮族移民史を社会と教育の側面から考察します。トピックス、歴史資料、写真、映像を通じて、固有の文化を守りながら、新しい文化、近代的教育を取り入れて自強を図る努力をした朝鮮人移民の特徴を検証します。受講者たちと議論を交わしながら授業を進めます。
授業の到達目標
授業を通じて、(1)朝鮮人移民によって満洲の地域社会には新たな文化と多文化複合社会が形成され、地域社会は豊かになったこと、(2)朝鮮人移民の定着と適応過程において教育が社会移動、社会上昇の原動力であったことを理解します。それによって、単一民族国家、単一言語と文化の枠を超える視点にたった多文化重層的アイデンティティに対して理解を深め、東アジア地域の相互の連関、文化の多様性と共通性を理解することができます。
授業シラバス
[第 1回] イントロダクション
[第 2回] 初期朝鮮人移民と地域社会
[第 3回] 満洲の開拓と水田開発
[第 4回] 中国側の対応
[第 5回] 間島朝鮮人と日本の間島領事館
[第 6回] 朝鮮人移民と中国人との関係
[第 7回] 1935年満洲国調査村の事例
[第 8回] 朝鮮人私立学校
[第 9回] 映像からみる満洲の日本人移民との比較
[第10回] 朝鮮人の文化とスポーツ
[第11回] 満洲国五族協和の実態
[第12回] 満洲国新学制と朝鮮人教育の展開
[第13回] 日本の戦時体制下での朝鮮人の生活と教育
[第14回] 1945年8月以降戦後初期における人口移動
[第15回] まとめと総括、現在の中国朝鮮族の新たな人口移動に関連して

