複合文化論系演習(国民文学から比較文学へ)
授業基本情報
- 開講年度:2010年度 春期
- 科目名:複合文化論系演習(国民文学から比較文学へ)
- 副題:
- プログラム:比較文学
- 授業タイプ:演習I
- 担当教員:大久保進
- 曜日:土曜日
- 時限:2限
- 使用教室:戸山 31-03
- 早稲田大学シラバス:[シラバスへのリンク]
- Keywords:文学||比較文学
授業概要
比較文学研究は19世紀の終わりにヨーロッパに一個の学問分野として名乗りを挙げましたが、これは、18世紀の国民意識の形成および19世紀の国民国家の成立と、そしてそれに先行するよりよき国語創出の意欲とに深いかかわりをもっています。
この歴史的プロセスの中で、ヨーロッパ諸国は、その出発に早い遅いの違いはあっても、国民国家を実現します。だから、国民文学が有効であった時代と社会は間違いなく存在しました。つまり、国語であると意識された言語で書かれた文学はすべて国民文学であるとは言えないとしても、国民と国民文化の意識なしには国民文学は不可能だったということです。
しかし、国家名を冠した国民文学がその学問的有効性を疑問視されるようになって、すでに久しいのです。国民文学研究において、例えば、同じ英語で書かれれているイギリス文学とアメリカ文学、同じドイツ語で書かれている東と西のドイツ文学・オーストリア文学・スイス文学、英語とフランス語で書かれているカナダ文学をどう考えるか?あるいは、英語とフランス語で書いたベケット、日本語とドイツ語で書いている多和田葉子、さらには、チェコ語とイディッシュ語に囲まれてドイツ語で書いたカフカをどう位置づけるか?
こうした問いの基底にあるのは、国語、国民、国民文化の問題意識であって、比較文学研究は、先ず国民文学研究を補完するものとして、やがてそれに対峙するものとして展開してきたのです。そして今や、この問いかけは、世界文学や惑星文学の意識へとつながっているのです。
この演習では、最初数回、こうした問いや意識を歴史的・原理的に概観します。以降は、受講者に、それぞれの興味関心・問題意識によってテーマを立ててもらい、それについて調査報告あるいは研究発表をしてもらいます。
授業シラバス
これはあくまでも授業「計画」です。登録学生が未定の現時点では、科目が発表と議論を主眼とする演習ですので、進行上、修正や変更がありうることをあらかじめお断りしておきます。
第1回:オリエンテーション
第2回:導入的概論1
第3回:導入的概論2
第4回:導入的概論3
第5回:学生のテーマ選択のための議論1
第6回:学生のテーマ選択のための議論2
第7回:学生による発表1
第8回:学生による発表2
第9回:学生による発表3
第10回:学生による発表4
第11回:学生による発表5
第12回:学生による発表6
第13回:学生による発表7
第14回:学生による発表8
第15回:まとめ

