複合文化論系演習(日本の美意識)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(日本の美意識)
授業タイプ
演習
担当教員
常田槙子
曜日
金曜日
時限
5時限
授業シラバス
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授業概要

 19世紀後半の日本では、海外から御雇外国人や外交官が訪れるようになり、様々な日本の藝術が彼らの目に留まるようになった。たとえば、そのなかの一人アーネスト・フェノロサが日本美術を高く評価したことはよく知られているだろう。20世紀になると、反対に日本人自らが日本の文化にみられる「美」を海外に発信したり、西洋との対比のなかで日本文化を見つめ直す動きも見られるようになってゆく。本演習では、海外との邂逅のなかで見出だされ、とらえられ、生み出されてきた日本の美意識について考えてみたい。
 本演習では、まず講義形式で、日本古典文学のなかで生成されてきた「美」について概説するとともに、海外でそのような美意識がどのように紹介されていったかについていくつかの例を紹介する。そののち、受講者に授業計画に示した著書のなかから一つを選び、発表してもらう。詳細は第1回目のオリエンテーションで説明する。

授業計画

第1回 4/10
オリエンテーション、文献紹介など
第2回 4/17
ジャポニスムと日本的「美」(1)
第3回 4/24
ジャポニスムと日本的「美」(2)
第4回 5/8
日本の自然観
第5回 5/15
日本古典文学における「美」
第6回 5/22
新渡戸稲造、山本博文訳『現代語訳 武士道』〈ちくま新書〉(筑摩書房、2010年)(1)*英語版初出は1900年
*以下、第14回まで受講者による発表。
第7回 5/29
新渡戸稲造、山本博文訳『現代語訳 武士道』〈ちくま新書〉(筑摩書房、2010年)(2)*英語版初出は1900年
第8回 6/5
岡倉覚三、村岡博訳『茶の本』〈岩波文庫〉(岩波書店、1961年)(1)*英語版初出は1906年
第9回 6/12
岡倉覚三、村岡博訳『茶の本』〈岩波文庫〉(岩波書店、1961年)(2)*英語版初出は1906年
第10回 6/19
ポール・クローデル、内藤高訳『朝日の中の黒い鳥』〈講談社学術文庫〉(講談社、1988年)*仏語版初出は1927年谷崎潤一郎『陰翳礼讃』〈中公文庫〉(中央公論社、1995年)*単行本は1939年刊
第11回 6/26
ブルーノ・タウト、篠田英雄訳『日本美の再発見 増補改訂版』〈岩波新書〉(岩波書店、1962年)*旧版『日本美の再発見』は1939年刊
第12回 7/3
川端康成『美しい日本の私』〈講談社現代新書〉(講談社、1969年)*講演は1968年
第13回 7/10
E. O. ライシャワー、林伸郎訳『ライシャワーの見た日本』〈徳間文庫〉(徳間書店、1991年)*初版1967年
第14回 7/17
ドナルド・キーン、金関寿夫訳『日本人の美意識』〈中公文庫〉(中央公論社、1999年)*所収の英語論文初出は1962-71年
第15回 7/24
理解度の確認とまとめ(テストとその解説を含む)