認知言語学入門

基本情報

科目名
認知言語学入門
授業タイプ
講義科目
担当教員
酒井智宏
曜日
木曜日
時限
3時限
教室
未定(対面)
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

生成文法と並んで現代言語学の二大潮流をなす認知言語学の基礎を学びます。「ことばの研究」と聞いて真っ先に思いつくものは何でしょうか。この問いに対して「ことばの意味の研究」という答えを思いつく人がいるかもしれません。しかし、意外なことに、欧米の言語学では、意味の研究は後回しにされ、長いあいだ、語の形態や文の構造といった「ことばの形式の研究」ばかりが行われていました。非常におおざっぱに言えば、「ことばの形式を先に研究して、それに後から意味をくっつければ言語の分析が完成するはずだ」と考えられていたのです。この考え方に真っ向から勝負を挑んだのが「認知言語学」と呼ばれる立場です。認知言語学は、「ことばの形式にはことばの意味が反映されており、意味と独立に形式だけを研究したのでは、ことばの本質を捉えることはできない」と考えます。さらに、「ことばの意味はありのままの現実を写し取ったものではなく、人間の世界の捉え方を反映している」と考えます。この講義では、そうした認知言語学の言語観を、従来の理論との相違に注目しながら論じます。

授業計画

第1回
全回対面授業を予定。認知言語学前史1: 構造主義言語学
第2回
認知言語学前史2: チョムスキー革命
第3回
認知言語学前史3: 言語学戦争
第4回
メタファー
第5回
プロトタイプ・カテゴリー1
第6回
プロトタイプ・カテゴリー2
第7回
多義1: 使用基盤モデル
第8回
多義2: ネットワークモデル
第9回
多義3: メトニミー
第10回
多義4: メンタル・スペース理論(1)
第11回
多義5: メンタル・スペース理論(2)
第12回
認知マッピングと意味論
第13回
認知文法論1
第14回
認知文法論2
第15回
理解度の確認