芸術と社会

基本情報

科目名
芸術と社会
副題
都市と美術
授業タイプ
講義科目
担当教員
坂上桂子
曜日
火曜日
時限
3時限
教室
未定(対面)
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

美術と社会の接点を、都市を切り口にみていきます。都市は私たちの暮らしにおける基本であり、私たちが豊かな生活を送るための最重要基盤であるにもかかわらず、案外、無頓着に過ごしている人も多いでしょう。地震や集中豪雨などの自然災害、そしてパンテミックなど、都市をめぐる状況には多くの問題が山積しています。ポストコロナの時代において、私たちの生活の基盤となる都市には何が求められるのでしょうか。これからは、今までにも増して、経済的効率性、実利的な側面に加え、都市における美的体験や感性の充足が求められることは間違いないでしょう。都市における美術の役割は、言うまでもなくこれまで以上に重要になると想像できます。本講義ではそうした未来を視野にいれ、都市に暮らす人々が安全な生活を確保しつつ、より豊かな日常を過ごせるための要素として、アートはどのような役割を担いえるのか考えていきます。こうした考察を導くべく、ここではとくに、パリ、そしてにニューヨークの現在の状況について詳しくみていきます。具体的には都市が形成された歴史的な背景、都市計画、土木、建築など都市の概観を、すなわち都市の「かたち」である特徴をまずは捉えた上で、都市を代表する美術館やコレクション、その他の芸術的空間、パブリックアート、アートプロジェクトなどについて、美術の内容にまで立ち入って見出していきます。とりわけ主要な美術館の特徴を知るために、美術館建築、代表的作品の内容や、展示手法、展示空間についてとりあげます。また美術館やアート作品以外にも、都市を豊かにしている芸術的、美的要素は何かについて考察していきます。最終的には、これらの都市の状況を把握し、現在の東京について認識することで、日本の都市の未来の可能性について考えます。

授業計画

1:
第1回 オリエンテーション
本講義の概要説明
2:
第2回 パリ1
パリの歴史軸、および街の全貌をつかみます。
3:
第3回 パリ2
オスマンによるパリの都市計画、および現在のパリの概観、特徴についてみます。
4:
第4回 パリ3
パリにおける新しいライフスタイルの創出と人々の暮らしについてみます。
5:
第5回 パリ4
パリを代表するルーヴル美術館の成立、その全体像と特徴、代表的作品をみます。
6:
第6回 パリ5
ルーヴル美術館のコレクション、およびそのほかのパリおよびパリ近郊の特徴ある国立美術館についてみます。
7:
第7回 パリ6
万国博覧会とオルセー美術館の成立、およびコレクション、代表作についてみます。
8:
第8回 パリ7
モンマルトル、ポンピドゥーセンター、ルイ・ヴィトン財団、ラ・デファンス地区などをとりあげ、その地域の特徴とアートについてみます。
9:
第9回 ニューヨーク1
都市としてのニューヨークがどのようなものか、全貌をつかみます。
10:
第10回 ニューヨーク2
メトロポリタン美術館の成立とコレクションの特徴、代表作についてみます。
11:
第11回 ニューヨーク3
ニューヨーク近代美術館の成立と建築、コレクションについてみていきます。
12:
第12回 ニューヨーク4
ホイットニー美術館、ハイライン、ハドソンヤード、パブリックアート、都市景観と保存、再開発など、ニューヨークの現在とアートについて考えます。
13:
第13回 東京1
東京という都市環境について概観します。
14:
第14回 東京2
東京の美術館ついて、代表的美術館の特徴をとりあげ、概観します。
15:
第15回 ソウル・まとめ
アジアの代表としてソウルについてみていきます。全体を振り返りまとめます。