現代美学の射程

基本情報

科目名
現代美学の射程
副題
現象学派の美学と芸術論
授業タイプ
講義科目
担当教員
峯尾幸之介
曜日
火曜日
時限
3時限
教室
34-453(対面)
授業シラバス
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授業概要

美学は美や芸術、感性などを対象とする哲学的な学問であり、この講義では現代、主には現象学のそれを扱います。美学は、個々の芸術作品やその良し悪しを論じるのではなく、そもそも美や芸術作品、さらにはそれらの経験がどのようなものであるのかを根本から考えなおすことを課題としています。わたしたちは、しかし、たとえばなにかを美しいと感じるかどうかは〈ひとそれぞれ〉だから、そんなものを学問の対象とすることはできないのではないかと諦めてしまいがちです。ところが、それは早とちりであって、美しいと感じられるものが〈ひとそれぞれ〉であるとしても、なにかを美しいと感じたり、楽しんだりする経験のなかには、なんらかの共通の本質があることを美学者たちは見抜いてきました。この講義では、現象学派のなかでも、ミュンヘン学派を代表するM・ガイガーとゲッティンゲン学派を代表するR・インガルデンを中心に、古代から現代にいたるまでの現象学派以外の美学を織り交ぜながら、かれらの洞察を概観し、美や芸術、感性について考え、論じるための方法を学ぶ機会を提供したいと思います。

授業計画

第1回 イントロダクション(授業の概説、評価方法の説明など)
 第2回 美という難問、自然科学と現象学
 第3回 近代認識論と美学
 第4回 カントの趣味判断論
 第5回 現象学とはなにか?(1)
 第6回 現象学とはなにか?(2)
 第7回 楽しむとは、そして美的に楽しむとはどういうことか?
 第8回 美と感情移入
 第9回 泣ける芸術はよい芸術か?
 第10回 音楽の悲しさとわたしの悲しさ
 第11回 文学作品の音と意味
 第12回 文学作品の世界とその現れ
 第13回 物・道具・芸術作品
 第14回 美学の現在
 第15回 まとめ