複合文化論系演習(比較言語学研究)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(比較言語学研究)
副題
言語を比較するとは、どう言うことか。言語の変化とはどのようにして起こるか。
授業タイプ
演習
担当教員
森田彰
曜日
木曜日
時限
3時限
教室
31-205(対面)
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

 碩学高津春繁は、『比較言語学入門』で「およそいかなる科学といえどもそれが実証的・帰納的であるかぎり、比較方法を使用せずには成立しえない。」と言っています。その比較方法が言語の探求にどう用いられてきたか、また用いるのかを学びながら、曰く全ての学問に通ずる比較の方法論を学びます。もちろん、科学的ものの見方とは、どんなものかも考えていくことになります。
 言語を比較することには、当然いくつかの目的、対象、方法があります。しかし、これとは別に、「比較文法」と言い、同系統の複数の言語を比較し、その言語間の関係を探ったり、それらの共通の祖先(祖語)や元の形を想定しようとする学問分野が、伝統的に「比較言語学」とほぼ同義で用いられて来ました。そこで、本演習では、言語における「比較」の原点であった比較文法の概要を理解した上で、さらにそこから発展した言語の通時的(歴史的)研究、特に言語変化の様相を見ていきます。また、比較を重要な研究の手法とする言語接触についてもその要点を学びます。一つの言語の中の変種 variation と標準化 standardization についても可能な限り触れたいと思います。
 教科書 (2) については、希望をとり、個人またはグループによる発表を行ってもらいます。もちろん、これは履修者の人数によって柔軟に考えざるを得ませんから、その具体的方法については、講座の中で説明・協議します。

授業計画

1:
第1回
言語を比較するとはどういうことか。言語の変化と比較の方法
2:
第2回
比較文法の扱う分野とインド・ヨーロッパ語族について音法則・対応:音声の変化 (教科書 (1))
3:
第3回
英語を含むグループ、ゲルマン語派について、類推:文法の変化
4:
第4回
一次資料と二次資料について。比較の次元と範囲について
5:
第5回
言語の通時態と共時態。通時的比較、共時的比較
6:
第6回
歴史言語学と言語接触
7:
第7回
R.L. Trask (1994, 2019) Language Change の学生による分担発表。以後、1回に2つの Chapter を行います。1. Language is always changing 2. English in the past
8:
第8回
3. Borrowing words 4. Creating words
9:
第9回
5. Change in pronunciation 6. Change in spelling
10:
第10回
7. Change in grammar 8. Change in meaning
11:
第11回
9. The origin of dialects 10. Relatedness between languages
12:
第12回
11. More remote relations 12. The birth and death of languages
13:
第13回
13. Attitudes towards language change 14. Putting it all together.
14:
第14回
発表予備日(総括)
15:
第15回
理解度の確認あるいは、総括