複合文化論系演習(日本の美意識)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(日本の美意識)
副題
古典文学に見る日本の美意識
授業タイプ
演習
担当教員
フィットレル アーロン
曜日
金曜日
時限
5時限
教室
32-229(対面)
授業シラバス
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授業概要

 美意識とは、美しいと決めることへの考え、また美しさを創造する心の働きであるが、これは国や地域によって異なる。このような多種多様な美意識は、その国、地域の文化の特徴のひとつである。この授業では、日本の美意識とは何か、どのような特徴があるのか、また現代の日本文化と日本人の感覚とどのように繋がっているのかについて、古典文学を中心に考えていく。
 日本の美意識について考える際、自然と人間の関係が中心的な課題のひとつとなる。また、四季の景物と自然の移り変わりが人の感覚と日常に日本ほど強い影響を与えている文化が少ないと思われる。自然と人間、四季と人間の密接な関係は日本最古の文学作品である『万葉集』以来見られる特徴である。この関係のあり方と他の芸術などへの広がりについて、他の国の文化と対照をしながら見ていく。
 最初の5回において授業の流れなどについて説明し、講師が問題提起をし、基礎知識を提供する。また、考察と発表の仕方について説明し、紹介する。6回目以降は、各課題についての学生の発表とディスカッションを行う。

授業計画

第1回 オリエンテーション:授業の内容や流れ、評価基準、参加するにあたっての注意点などの説明
 第2回 日本古典文学と日本の美意識についての基礎知識① 日本古典文学における自然と人間の関係
 第3回 日本古典文学と日本の美意識についての基礎知識② 自然美とレトリック・発表担当の割り振り
 第4回 課題発表とレポート執筆の注意点についての説明
 第5回 課題発表とディスカッションのデモンストレーション
 第6回 和歌の美意識①『万葉集』の自然と和歌表現
 第7回 和歌の美意識②『古今和歌集』以降の平安時代の自然と和歌表現
 第8回 『枕草子』における美的感覚と共同体
 第9回 『源氏物語』における自然と人間
 第10回 和歌の美意識③ 中世和歌の重層性と新しい自然美
 第11回 「わび」・「さび」・「幽玄」とは何か
 第12回 俳諧の世界観
 第13回 文学を超えて―茶道・華道・日本庭園―
 第14回 日本の美意識と現代
 第15回 総合ディスカッションとまとめ