早稲田大学 文化構想学部 複合文化論系

　文化人類学は、人間の営みについて文化的側面から研究する学問で、世界の人びとの生活や文化、社会を考える視点を提示してきました。フィールドワークを基盤として描かれてきた各地の社会・文化の様相は、時に私たちの「常識」と異なるでしょうが、これに気がつくことは、私たち自身の文化、さらには「人間とは何か？」をとらえ直すことにもつながります。本演習では、文化人類学を初めて学ぶ人を対象として、具体的にいくつかのテーマを取り上げ、世界各地の文化や社会の多様性について理解を深めると同時に、私たち自身の文化や常識について改めて考えてみたいと思います。今学期は、私たちの身近な経験とつながる出来事や制度、とりわけ身のまわりにある困難に人類学はどのようにアプローチしうるのか、春日直樹・竹沢尚一郞[編]『文化人類学のエッセンス　世界をみる/変える』を教科書に考えていきます。全体を通じ、文化人類学の基本的なものの見方・考え方を学び、専門研究に取り組む為の基礎的な力を養うことを目指します。
　なお、本科目は演習ですので、教科書となる文献を購読し、担当者による報告と全員でのディスカッションを通じて理解を深めるとともに、グループごとにテーマと関連したトピックについて調べたことを報告してもらう時間をもうけます。一連の作業により、文化研究の方法のひとつを実践的に学ぶことができるでしょう。

1:
第1回：イントロダクション
本演習の概要説明
2:
第2回：講義
文化人類学的アプローチの特徴について講義形式で説明します。
3:
第3回：演習①
テーマ：貧困、自然災害
4:
第4回：演習②
テーマ：うつ、感染症
5:
第5回：演習③
テーマ：性愛、アート
6:
第6回：演習④
テーマ：食と農、自分
7:
第7回：演習⑤
テーマ：政治、自由
8:
第8回：演習⑥
テーマ：分配と価値、SNS
9:
第9回：報告とディスカッション①
テーマ：貧困、自然災害に関連して
10:
第10回：報告とディスカッション②
テーマ：うつ、感染症に関連して
11:
第11回：報告とディスカッション③
テーマ：性愛、アートに関連して
12:
第12回：報告とディスカッション④
テーマ：食と農、自分に関連して
13:
第13回：報告とディスカッション⑤
テーマ：政治、自由に関連して
14:
第14回：報告とディスカッション⑥
テーマ：分配と価値、SNSに関連して