早稲田大学 文化構想学部 複合文化論系

本授業は、基本と応用の二つの構成からなる。

基本：人類学がどのような学問なのか、学問的経緯を理解した上で、各回のトピックについて書かれた文化人類学のテキスト（教科書＋配布プリント）を読みながら、文化人類学の考え方と主要な学説を学んでいく。まずは、大航海時代以降のヨーロッパ世界の「未開」へのまなざし、近代化の進行と人類学の誕生、ダーウィンの進化論の影響、植民地主義と人類学などについて学ぶ。その後で、文化相対主義、構造主義、オリエンタリズム、ポストコロニアルなどを扱う予定である。ただし、扱うトピックについては、受講者の文化人類学の知識の有無、関心領域なども考慮した上で柔軟に対応していく予定であるため、授業計画の内容は変更する可能性がある。変更があった際は、授業時にお知らせする。

毎回、事前に指名された発表者が、課されたリーディングの内容をまとめ、自分でリサーチした内容やそのポイントについて説明していく。その後、クラス全体でディスカッションを行う。

応用：各自エスノグラフィのプロジェクトを作成してもらう。文化人類学的研究にふさわしいリサーチトピックを考え,調査対象を設定し、どのような視座から調査対象にアプローチするか、どの考え方や学説が参考になりそうか、などについて具体的に考えていく。各回の授業で、数人の受講者が自らのプロジェクトの進行を報告し、他の受講者からコメントや質問をしてもらう。そこでの議論をもとに、さらにプロジェクトに磨きをかけていってもらう。最終時の授業で、プロジェクトの提出が求められる。

アクティブラーニングの形式で授業を進める。単位を取得するためには、しっかりとテキストを読んで、活発に議論に参加することが求められる。基本的に、授業時に発言せずに授業が終わることはないと思ってください（もちろん、事情がある場合は配慮しますので、どうぞ遠慮なく連絡をください）。受講者の人数にもよるが、個人およびグループでの発表は最低2回以上となる。

1:
第１回
オリエンテーション（本講義の目的と概要・授業内容の確認と進行についての説明）
2:
第２回
近代化と人類学の誕生：歴史的経緯/文化、人類、言語
3:
第３回
発表とディスカッション：フィールドワーク/文化相対主義、エスノグラフィ
4:
第４回
発表とディスカッション：アイデンティティ/民族、人種
5:
第５回
発表とディスカッション：移動
6:
第６回
発表とディスカッション：観光
7:
第７回
発表とディスカッション：食文化
8:
第８回
発表とディスカッション：通過儀礼
9:
第９回
発表とディスカッション：「ポップカルチャー」と若者　１
10:
第１０回
発表とディスカッション：「ポップカルチャー」と若者　２
11:
第１１回
発表とディスカッション：各自リサーチについての発表　１
12:
第１２回
発表とディスカッション：各自リサーチについての発表　２
13:
第１３回
発表とディスカッション：各自リサーチについての発表　３

14:
第１４回
人類学的思考の展望：これまでのまとめ