複合文化論系演習(日本古典文化の受容と変容)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(日本古典文化の受容と変容)
副題
『源氏物語』文化の受容と変容
プログラム
感性文化
授業タイプ
演習
担当教員
陣野英則
曜日
金曜日
時限
6時限
教室
33-231
授業シラバス
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授業概要

 この演習では、日本古典文化における感性の働き、美意識などに着目し、その普遍性と特異性とをとらえた上で、近現代においてその文化がどのように受容されてきたか、またそれがどのように変容しているのかということを検討する。その際、海外での受容と変容にも留意したい。
 今年度は、『源氏物語』に関わるさまざまな文化をとりあげる。『源氏物語』は、一千年以上にわたって読み継がれてきたばかりでなく、その時々のあらたな文化の題材・素材として加工され、また利用されてきた。たとえば、国宝の『源氏物語絵巻』をはじめとする『源氏物語』を題材とした絵画(源氏絵)、また「源氏能」などは、それら自体が日本の藝術・文化を代表するものにふくまれるだろう。また、この物語は、近現代においても小説、舞台劇、漫画等々をはじめ、さまざまな形で「再生」されつづけている。
 今回は、『源氏物語』と国宝『源氏物語絵巻』について講義形式で概説したのち、谷崎潤一郎の『夢の浮橋』、川端康成の『千羽鶴』と「浮舟」(『哀愁』より)など、倉橋由美子の「イフリートの復讐」(『倉橋由美子の怪奇掌篇』より)、『源氏物語 九つの変奏』より角田光代「若紫」と町田康「末摘花」、そして大和和紀『あさきゆめみし』をとりあげる。また英訳された『源氏物語』とその読まれ方についても、とりあげてみる。
 受講者には、これらの作品もしくは課題の中から一つを選択して発表に取り組んでもらう。詳細は第1回めのオリエンテーションで説明する。

授業計画

1: 第1回 9/27
オリエンテーション、『源氏物語』の受容について

2: 第2回 10/4
『源氏物語』の物語内容について(1)

3: 第3回 10/11
『源氏物語』の物語内容について(2)

4: 第4回 10/18
『源氏物語』の言葉(言説)について

5: 第5回 10/25
国宝『源氏物語絵巻』について

6: 第6回 11/8
谷崎潤一郎『夢の浮橋』(担当者発表、以下第14回まで同じ)

7: 第7回 11/15
川端康成『千羽鶴』

8: 第8回 11/22
川端康成「浮舟」(『哀愁』より)など

9: 第9回 11/29
倉橋由美子「イフリートの復讐」(『倉橋由美子の怪奇掌篇』より)

10: 第10回 12/6
角田光代「若紫」(『源氏物語 九つの変奏』より)

11: 第11回 12/13
町田康「末摘花」(『源氏物語 九つの変奏』より)

12: 第12回 12/20
大和和紀『あさきゆめみし』

13: 第13回 1/10
『源氏物語』の英訳とその読まれ方(1)

14: 第14回 1/17
『源氏物語』の英訳とその読まれ方(2)

15: 第15回 1/31
全体のまとめ