芸術論争の歴史

基本情報

科目名
芸術論争の歴史
副題
戦後から現代までの絵画
プログラム
異文化接触
授業タイプ
講義科目
担当教員
教員、桝田倫広
曜日
月曜日
時限
3時限
教室
34-355
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

本講義は、1945年以降の、主に欧米圏で活動した作家による絵画を紹介していきます。とりわけ60年代以降、絵画は終わったと何度となく言われてきました。コンテンポラリー・アートの状況に鑑みれば、作品の形式はインスタレーション、映像、ドキュメンテーションなど多岐にわたり、絵画はかつてほどの特権的な存在ではありません。それでもなお、造形芸術がなんらかのかたちで「イメージ」を読みとるものである以上、絵画を鑑賞し、感じとり、そして読み解いていくという作業は、あらゆる造形芸術の鑑賞において基本をなすものと捉えることができるはずです。
 それでは現代における絵画の存在意義や可能性とは、一体何でしょうか。それを考えるためには、現代の絵画だけではなく、過去の歴史や系譜を振り返る必要があります。ゆえに本授業では、絵画とは何かという問いが絵画制作とともに厳しく問われることとなった戦後以降において活躍する作家たちを取り上げます。絵画を描くということ自体が、自明の営みではなくなった時代だからこそ、彼らは絵画とは何か、芸術とは何かという問いと向き合いながら、作品を生み出してきたのです。そのような作家たちの取り組みについて考察を進め、同時に絵画とは何か、芸術とは何かという問いが皆さんのなかで展開されることで、芸術に対する関心や知見が深まることを期待しています。本授業では戦後美術の流れの理解を目標にするのではなく、個々の作家や作品に対峙することを重視し、1回の授業につき、1人ないし2、3人の作家の作品を考察する形式を採用します。それでも作家たちの画業を丁寧に追うことで、きわめて緩やかにではありますが、戦後の絵画の流れをカバーすることにもなるでしょう。

授業計画

1:
第1回 オリエンテーション
本講義の目的と概要について説明します。

2:
第2回
ジャクソン・ポロック

3:
第3回
ウィレム・デ・クーニング

4:
第4回
バーネット・ニューマン、マーク・ロスコ

5:
第5回
フィリップ・ガストン、サイ・トンブリー

6:
第6回
ロバート・ラウシェンバーグ、ジャスパー・ジョーンズ

7:
第7回
フランク・ステラ

8:
第8回
アンディ・ウォーホル

9:
第9回
フランシス・ベーコン

10:
第10回
河原温

11:
第11回
ゲルハルト・リヒター

12:
第12回
アンセルム・キーファー、ゲオルグ・バゼリッツ

13:
第13回
マルレーネ・デュマス、リュック・タイマンス

14:
第14回
ピーター・ドイグ、クリス・オフィリ

15:
第15回 全体のおさらい
なお、授業の進度、受講生及び講師の関心に応じて、取り上げる作家や授業の内容が変わる可能性はあります。