言語史の方法

基本情報

科目名
言語史の方法
副題
日本語史の研究方法を探る
プログラム
言語文化
授業タイプ
講義科目
担当教員
教員、坂本清恵
曜日
月曜日
時限
3時限
教室
31-202
授業シラバス
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授業概要

ことばが変わるのはなぜか。日本語の変遷を言語内的要因による変化を中心に、その理由と変遷過程をたどる方法について学ぶ。まずは、言語変化の要因と言語資料について概説を行い、言語変化の具体例について取り上げていく。
 言語史は、本来、口語変化を探る必要があるが、残された文献資料による研究が中心になる。文献資料による方法のほか、現代の日本語の地域差、および伝承された芸能資料や録音された音声資料なども紹介しながら研究方法を探る。特に、能の謡、狂言、文楽の浄瑠璃などに伝承されてきた音声と中世以降の日本語の音声、音韻の関係などを確認していきたい。
 これまで日本語史の定説として扱われてきたものの中には、言語変化という点では全く解明されていないものも多い。普遍的な言語の歴史としての日本語史を考え、現代身近なところで起こっている変化についても、その原因と変化の方向についても考えたい。

授業計画

1.言語史の資料について
 第1回 日本語史の資料について
 2.方言資料による方法
 第2回 方言語地理学の手法による言語史の解明方法
 第3回 方言周圏論と史的研究
 ―「蝸牛考」「全国アホバカ分布」などの例について
 3.文献資料による方法
 第4回 現存する文献を言語資料として扱うときの注意点
 第5回 文献資料の持つそれぞれの特徴、文献研究の必要性について
 第6回 仮名遣いの研究方法について
 第7回 アクセント史研究の方法について
 第8回 コーパスなどを用いた語彙史研究の方法
 4.伝統芸能を資料とした方法
 第9回 文献と伝承音声との比較研究
 第10回 能を資料とした研究
 第11回 狂言を資料とした研究
 第12回 文楽を資料とした研究1音声
 第13回 文楽を資料とした研究2語彙・語法
 4.録音資料による方法
 第14回 蝋管など20世紀初頭の音声資料
 第15回 方言アクセント調査の音声資料