複合文化論系演習(感性哲学)02
基本情報
- 科目名
- 複合文化論系演習(感性哲学)02
- 授業タイプ
- 演習
- 担当教員
- 小林信之
- 教室
- 未定(ハイブリッド(対面/オンライン併用))
- 授業シラバス
- [シラバスへのリンク]
授業概要
この演習科目は、感性にかんするさまざまな考察にとって重要な基礎資料を紹介するとともに、その資料の解釈をふまえた諸問題にみちびくことを主眼としています。
わたしたちは「感性」をつうじて世界に開かれています。見、聞き、ふれることによって、わたしたちのまえに世界の風景がひろがり、わたしたちは世界の肌理にふれます。この講義は、視覚や聴覚や痛みなど身体的次元から、感情や気分や情緒など精神的次元にいたるまで、広範な感性の働きを理論的に考察することをめざしています。そしてそこからさらに、現代社会のなかで感性がどのような意味を担わされているか、また現代アートとしてであれ、さまざまな文化現象としてであれ、感性はどのように表現されているかといったテーマも展望したいと思っています。
一例をあげれば「触れる(feel)」ということについて。もっともプリミティヴな感覚である触覚と、感情(feeling)との関係をめぐって考えること、そしてわたしたちが世界に触れる感触を意識化することが、ひとつの課題となります。
あるいは、わたしたちの感覚の固有性(クオリア)と他者との関わりについて。たとえばわたしたちの「痛み」の経験はどこまでも伝達不可能であるのに、どうして他者への共感やコミュニケーションがなりたつのでしょうか。
このように哲学的な議論が中心になりますが、しかし抽象的な思弁におちいることは避けて、現代アートなどのスライドや映像を交えつつ、できるかぎり具体的な表現を通じて考えていきたいと思います。あつかわれる個別テーマとしては、エポケーについて、知覚の問題(現象学の知覚論、印象派以降の絵画表現について)、言葉と感覚、聴くことの可能性(サウンドスケープ論)、痛みと他者、感情とクオリア、現代アートと皮膚感覚、現代感性論などです。
わたしたちは「感性」をつうじて世界に開かれています。見、聞き、ふれることによって、わたしたちのまえに世界の風景がひろがり、わたしたちは世界の肌理にふれます。この講義は、視覚や聴覚や痛みなど身体的次元から、感情や気分や情緒など精神的次元にいたるまで、広範な感性の働きを理論的に考察することをめざしています。そしてそこからさらに、現代社会のなかで感性がどのような意味を担わされているか、また現代アートとしてであれ、さまざまな文化現象としてであれ、感性はどのように表現されているかといったテーマも展望したいと思っています。
一例をあげれば「触れる(feel)」ということについて。もっともプリミティヴな感覚である触覚と、感情(feeling)との関係をめぐって考えること、そしてわたしたちが世界に触れる感触を意識化することが、ひとつの課題となります。
あるいは、わたしたちの感覚の固有性(クオリア)と他者との関わりについて。たとえばわたしたちの「痛み」の経験はどこまでも伝達不可能であるのに、どうして他者への共感やコミュニケーションがなりたつのでしょうか。
このように哲学的な議論が中心になりますが、しかし抽象的な思弁におちいることは避けて、現代アートなどのスライドや映像を交えつつ、できるかぎり具体的な表現を通じて考えていきたいと思います。あつかわれる個別テーマとしては、エポケーについて、知覚の問題(現象学の知覚論、印象派以降の絵画表現について)、言葉と感覚、聴くことの可能性(サウンドスケープ論)、痛みと他者、感情とクオリア、現代アートと皮膚感覚、現代感性論などです。
授業計画
項目ごとに初回の授業でガイダンスおよびテーマの概要を説明する。その後、テキストに即して、研究発表をまじえた考察と議論をおこなう。またオンデマンド資料を併用する。