複合文化論系演習(ギリシア思想の伝播)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(ギリシア思想の伝播)
副題
古代ギリシア哲学における魂の理解
授業タイプ
演習
担当教員
岩田圭一
曜日
木曜日
時限
5時限
教室
未定(対面)
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

 この授業は8回教室授業を行い、7回はオンデマンド授業形式で実施します。オンデマンド授業は定期配信で、毎週木曜日に開講し、視聴期間は1週間とします。 人間とは何か、人間はいかに生きるべきかといった、人間の存在の本質にかかわる問いを考えるとき、古代ギリシアの思想はわれわれに一定の思考方法を示してくれます。例えば人間を欲求的な部分と知性的・理性的な部分に分けて、知性や理性に従うことの重要性を説く考え方は、古代ギリシアの哲学者プラトンに由来する、西洋の伝統的な思考方法の一つです。この考え方では、人間の本質的な部分は知性や理性であり、知的な能力を発揮して生きることが幸福な生き方であるとされます。プラトンにおいては、イデアという理想的な範型的存在との関係で幸福な生き方が追求されますが、その弟子のアリストテレスにおいては、範型的存在は否定され、知性や感覚・欲求などに関する詳細な研究(魂に関する研究)を前提にした独自の幸福論が提示されます。続くヘレニズム・ローマ、中世の哲学者たちは、プラトン、アリストテレスの哲学を基礎にして、哲学のさまざまな問題に取り組み、哲学的思考を発展させました。
 この授業ではまず7回、オンデマンド授業を受講し、プラトンにおける魂の不死の説明と、アリストテレスにおける魂の定義について理解し、8回目からの発表形式の授業にそなえます。オンデマンド授業を受講する間に、各自、自分が発表する主題を決めます。発表の主題については、ソクラテスにおける魂の世話、プラトンにおける魂の三部分説など、古代ギリシアの哲学者の見解の中から関心のあるものを選んでもらいます(古代ギリシア以降、ルネサンス期までの哲学者の見解も可とします)。8回分の教室授業では、毎回、あらかじめ決めておいた発表順で発表を行ってもらい、質疑応答を通じて理解を深めます。

授業計画

第1回(オンデマンド配信型)
導入(授業の概要、授業実施方法等)、プラトンとアリストテレスについて
第2回(オンデマンド配信型)
プラトン『パイドン』読解――生成の循環による魂不死の証明を中心に――
第3回(オンデマンド配信型)
プラトン『パイドン』読解――想起説による魂不死の証明を中心に――
第4回(オンデマンド配信型)
アリストテレス『魂論』読解――魂の定義のための基礎概念を中心に――
第5回(オンデマンド配信型)
アリストテレス『魂論』読解――魂の定義を中心に――
第6回(オンデマンド配信型)
アリストテレス『魂論』読解――魂と身体との関係を中心に――
第7回(オンデマンド配信型)
アリストテレス『魂論』読解――生命原理としての魂を中心に――
第8回(教室授業)
学生発表――ソクラテスにおける魂の世話を中心に――
第9回(教室授業)
学生発表――ソクラテスにおける徳の探求を中心に――
第10回(教室授業)
学生発表――プラトンにおける知性と欲求を中心に――
第11回(教室授業)
学生発表――プラトンにおける魂の三部分説を中心に――
第12回(教室授業)
学生発表――プラトンのイデア論を中心に――
第13回(教室授業)
学生発表――アリストテレスの魂論を中心に――
第14回(教室授業)
学生発表――アリストテレスの知性論を中心に――
第15回(教室授業)
学生発表――古代ギリシアの魂論の後世への影響を中心に――