複合文化論系演習(国民文学から世界文学へ)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(国民文学から世界文学へ)
副題
山下智久研究 ―― 「アイドル学」をアップデートしながら
授業タイプ
演習
担当教員
柿谷浩一
曜日
金曜日
時限
6時限
教室
未定(ハイブリッド(対面/オンライン併用))
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

 活動の主軸を日本から世界に移し、国民的アイドルから世界的アーティスト・役者へ。本格的に舵をきった山下智久。彼の新たな挑戦(とりわけ言語に関わる表現活動)を対象に、アイドル(という存在や概念)と「国民/世界」の関わりについて、いま求められる視点や研究方法を含めて、多角的に検討を試みます。
 俳優としての演技(台詞)、自作による歌詞表現、またinstagram等を中心とした自身によるメッセージ発信。活動のエッセンスにあるそれらは“言語を媒介にした表現・作品”と捉えることも出来て、よくも悪くも消費されゆく傾向が強いアイドルにあっては、そうした言語芸術的で審美的な捉え方や評価は、きわめて重要です。『0409』やい『P's style』等の連載エッセイの言葉のありよう。ドキュメンタリー『ルート66〜たった一人のアメリカ』における異文化・言語接触。多くの出演テレビドラマ作品の文学性……。さまざま、広義の文学的視座から考えるべきもの・見えてくることは、たくさんあるはずです。そして日本の「アイドル」が世界へ羽ばたき、世界へ拡張していこうとする時、国内/世界からどういったまなざしが寄せられ、何が求められるのか。またそうした中で、私たちは(日本国内から)何をすることが出来るか、また必要か。言語や地域をこえた様々な点検・検証も大事になってくると思われます。
 「山P」から「Tomohisa Yamashita」へ。彼の動向と軌跡を追いかけながら、考察をしてみましょう。取り上げる具体的な作品や事象は、受講生の関心も考慮しながら決めていきますが、最新の作品・活動は外せませんので、適宜、英語等の原語での作品鑑賞や、海外記事の購読も含むことになるでしょう。もちろん別のアイドルに関心があって、それを絡ませた考究も歓迎です。

 【授業の具体的な進め方】
 ☆授業スタイルは、リアルタイム配信型授業を基本とします。コロナの社会状況に応じて、数回の対面授業を挟むかもしれません。詳細は開講前の秋頃に「備考」で示します。
 ・受講人数にもよりますが、「個人報告+ディスカッション」の形式を中心とします。その前後で、ミニ講義回(教員による発表)を挟みます。
 ・順番に考えてみたいトピック、調べてみたいテーマなどを報告し合っていきます。それを受けて、毎回、受講者全員でディスカッションを行います。基本、レポート提出等はありません。
 ・講義回以外は、私もディスカッションの参加者のひとりです。日本文学・文化、ポップカルチャーの観点から報告に対してコメント等はもちろんしますが、それ以降は一緒に考える「仲間」でありたいというのが願いです。活発に、対等に、対話をし合えたら素敵じゃないですか。

授業計画

この演習クラスは、集まった受講生の関心も考慮しつつ、以下のパートを柔軟に構成して進行していきます。
 ●担当教員による「導入講義」数回
 ●担当教員による「テーマ講義」数回
 ●受講生全員での資料講読を含む「文献調査」
 ●受講生による「報告」
 ●これらをもとにした、受講生全員によるディスカッション