ヨーロッパのことばと文化

基本情報

科目名
ヨーロッパのことばと文化
授業タイプ
講義科目
担当教員
酒井智宏
曜日
火曜日
時限
5時限
教室
未定(対面)
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

印欧比較言語学の方法論に基づき、さまざまな時代のさまざまな言語のデータを丁寧に分析することを通じて、今日の日本人の思考が無意識のうちに時間的にも地理的にも遠く隔たったヨーロッパのことばと文化の影響を受けていることを論じます。たとえば、「英語はラテン語から派生した言語である」という定番の誤解が生じるのはなぜでしょうか。tooth/teethの形容詞形がdentalで元の名詞と似ていないのはなぜでしょうか。名詞にsをつけると複数形になる気がするのはなぜでしょうか。「チャイルド」の複数形が「チャイルドレン」ではなく「チルドレン」であるのはなぜでしょうか。フランス語のマンション名が「洗練されている」感じがするのはなぜでしょうか。こうしたことを理解するためには、印欧比較言語学の厳密な思考法をふまえつつ、ノルマン征服以降の仏語圏と英語圏の関係、絶対王政期以降のフランスの国際的地位、言語政策など、言語(学)の外にある要因をも理解する必要があります。このように、「現在の日本」との見えないつながりという観点から「ヨーロッパのことばと文化」を捉えなおしていきます。

授業計画

1:
第1回
全回対面授業を予定。「ヨーロッパのことば」とは?: 再建という考え方
2:
第2回
口蓋化
3:
第3回
同化/Centum vs. Satem
4:
第4回
グリムの法則
5:
第5回
(古)英語の成り立ち
6:
第6回
(古)英語と(古)ノルド語1
7:
第7回
(古)英語と(古)ノルド語2
8:
第8回
印欧語の性・数・格1
9:
第9回
印欧語の性・数・格2
10:
第10回
印欧語の性・数・格3
11:
第11回
印欧語の性・数・格4
12:
第12回
印欧語の性・数・格5
13:
第13回
ラテン語からロマンス語へ/英語とロマンス語
14:
第14回
国(家)語
15:
第15回
理解度の確認