早稲田大学 文化構想学部 複合文化論系

カルチュラル・スタディーズは、学問的に等閑視されがちであったテレビや広告、映画、ポップミュージック、ファッション、アニメ、ゲームなどの大衆文化（ポピュラー・カルチャー）と若者文化を主たる対象として、さまざまな学問の理論や概念、方法を借用して理解・考察し、文化の問題にとり組むことを基本としてきた研究領域です。そのスタンスは、いろいろな民衆の文化を対象とし、調査結果から実証的にアプローチしていく先行学問である文化人類学とけっして無関係ではなく、むしろ両者には相互性がみられるといえます。本授業では、そうした関係をもつカルチュラル・スタディーズと文化人類学双方の基本的な特徴・性格を踏まえて、文化（の多様性）の見方・考え方についてともに学び、考えていきます。
　導入として数回講義を実施しますが、演習であることを踏まえて、履修者には関心をもつ身近な対象・テーマについて発表をおこなってもらい、発表後に質疑応答・議論をします（Waseda Moodle上のBBSも使用）。そして最終的には、発表内容をブラッシュアップし、レポートとして文章化するという作業もおこなってもらいますが、以上のように本授業は履修者主体の実践的な内容になります。なお、発表に関してはフィードバックとして講師からコメントを出します。

1:
第1回　オリエンテーション
本授業の概要および発表の際の注意点などを説明します。また、発表日の割当もお知らせします。
2:
第2回　文化人類学のエッセンス
文化人類学の基本的な視座や研究方法、カルチュラル・スタディーズとの関係などについて概説します。
3:
第3回　カルチュラル・スタディーズのエッセンス
カルチュラル・スタディーズの基本的な視座や研究方法、文化人類学との関係などについて概説します。
4:
第4回　文化人類学とカルチュラル・スタディーズの比較
第2回と第3回の講義内容を振り返りつつ、文化人類学とカルチュラル・スタディーズの比較をおこない、両者のさらなる理解を深めます。
5:
第5回　表象文化論――西欧怪物にみる文化の政治性
講師の研究テーマの1つであるヨーロッパの怪物を表象と捉え、カルチュラル・スタディーズの関心事の1つである「文化の政治性」について考える講義をおこないます。
6:
第6回　履修者による発表
この回から第14回まで、履修者に発表をおこなってもらいます。積極的な質疑応答・議論も求めます。
7:
第7回　履修者による発表
同上。
8:
第8回　履修者による発表
同上。
9:
第9回　履修者による発表
同上。
10:
第10回　履修者による発表
同上。
11:
第11回　履修者による発表
同上。
12:
第12回　履修者による発表
同上。
13:
第13回　履修者による発表
同上。
14:
第14回　履修者による発表
同上。
15:
第15回　授業のまとめないし予備日
授業の総括をします。場合によってはこの回に発表をおこなうこともあります。