芸術論争の歴史

基本情報

科目名
芸術論争の歴史
副題
前衛的なアートの試みをグローバルな視点で考える
授業タイプ
講義科目
担当教員
小川綾子
時限
オンデマンド
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

本講義では、20世紀以降の芸術において芸術論争を呼んだ作家、グループ、ムーブメントを取り上げ、その活動と代表的な作品を紹介していきます。
講義で取り上げるのは、20世紀のアメリカや日本を中心に活動し、前衛(アヴァンギャルド)と呼ばれてきた作家たちです。主にマルセル・デュシャン、瀧口修造、実験工房、ネオダダ、フルクサス、具体、もの派、ソル・ルウィット、荒川修作とマドリン・ギンズ、バーバラ・クルーガーなどを予定しています。彼らの作品や活動はどれも単純な見方で解釈できるものではありません。多様な見方と考え方を提示し、またその多くは鑑賞者の参加を要請するものです。常識に捉われない世界の多様な見方を提示し、「芸術とは何か?」という論争を巻き起こし続けた先駆的な彼らの作品と活動について、グローバルアートヒストリーの文脈を踏まえて、同時代的かつ今日的視点から見ていきます。
また後半では、フェミニズムアート、ソーシャリー・エンゲイジド・アート、SDGsとアートの関係など、社会と密接に関わり、社会変革をも企図する近年のアートについて取り上げます。時代と共に移り変わってきたアートの社会における役割についても考えます。「アート」の概念の拡張を時代の変遷とともにみていきます。映像資料や作品画像などビジュアル資料を多く用います。
またレポートの課題として、実際に美術館を訪れ、展覧会を見に行ってもらいます。この授業を通して美術館やギャラリーでの展覧会を「学びの場」として活用していく事も学んでいきます。授業で紹介した作家やグループなどに関連する展示を随時紹介したいと思いますので、実際に作品を鑑賞しに積極的に見に行って欲しいと思います。

授業計画

1:
第1回
オリエンテーション、グローバルアートヒストリーの中で考える20世紀美術

2:
第2回
現代美術の父、マルセル・デュシャン
3:
第3回
デュシャンとマン・レイの実験
4:
第4回
世界中に拡がった前衛芸術運動(ダダとシュルレアリスム)
5:
第5回
ブラックマウンテンカレッジ(マース・カニンガム、ジョン・ケージ、ロバート・ラウシェンバーグ)
6:
第6回
ネオダダ、フルクサス
7:
第7回
瀧口修造と実験工房
8:
第8回
具体、もの派
9:
第9回
ミニマルアート、アース・ワーク、環境芸術(ソル・ルウィット、ロバート・スミッソン、クリスト&ジャンヌ=クロード)
10:
第10回
荒川修作+マドリン・ギンズ 「意味のメカニズム」、建築と都市構想
11:
第11回
フェミニズム・アート(バーバラ・クルーガー、ジェニー・ホルツァー)
12:
第12回
ソーシャリー・エンゲイジド・アート(SEA) 
13:
第13回
アートとSDGs(アートと福祉)
14:
第14回
総括、まとめ
社会史と共に振り返るアートムーブメント