言語史の方法

基本情報

科目名
言語史の方法
副題
日本語を素材として言語史を捉える方法を学ぶ
授業タイプ
講義科目
担当教員
加藤大鶴
曜日
月曜日
時限
4時限
教室
未定(対面)
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

本授業では、言語史を捉えるための方法を、いくつかの事例を通じて学びます。本授業で紹介する方法は、〈体系的な方法とその限界〉(第2回~第4回)、〈現代語の言語的事象から遡及する方法〉(第5回~第6回)、〈言語地理学による方法〉(第7回~第8回)、〈比較言語学による方法〉(第9回~第12回)、〈文献と方言を両輪とする方法〉(第13回~第14回)の5つです。ことばを観察すると、規則的で体系的な面が見て取れる一方で、それだけでは説明の付かない面もみえてきます。授業ではこの両面に注意しながら、言語変化を捉える学問的方法を学びます。

授業計画

1:
第1回:ガイダンス・言語史とは何か
この授業の問い、「言語史」を構成する考え方について紹介します。
2:
第2回:体系的な見方・ら抜き言葉と可能動詞
言語変化を体系的にとらえる事例として、ら抜き言葉の変遷を取り上げます。
3:
第3回:体系的でない見方・数字と忌避
言語変化を体系的な観点から捉えきれない事例として、「忌避」の関与を取り上げます。
4:
第4回:体系的でない見方・言い間違いと類推
言語変化を体系的な観点から捉えきれない事例として、言い間違いと類推の問題を取り上げます。
5:
第5回:現代語から考える・らしさと語音配列則
現代語に刻まれる言葉の歴史的な経緯を探る事例として、語音配列則を取り上げます。
6:
第6回:現代語から考える・連濁現象
現代語に刻まれる言葉の歴史的な経緯を探る事例として、連濁現象を取り上げます。
7:
第7回:言語地理学・方言周圏論と日本語の歴史1
言語地理学を用いて言葉の歴史を考える手法を取り上げます。
8:
第8回:言語地理学・方言周圏論と日本語の歴史2
言語地理学を用いて言葉の歴史を考える手法を取り上げます。
9:
第9回:比較言語学・アクセントの基礎
アクセントの捉え方と体系性を取り上げます。
10:
第10回:比較言語学・アクセントの地域差
比較言語学を用いて言葉の歴史を考える手法を取り上げます。
11:
第11回:比較言語学・文献からさぐるアクセント史
比較言語学を用いて、特に文献資料から言葉の歴史を考える手法を取り上げます。
12:
第12回:文献と方言・ハ行子音の変遷
文献と方言を両輪にして言葉の歴史を考える事例を紹介します。
13:
第13回:サタ行子音の変遷
文献と方言を両輪にして言葉の歴史を考える事例を紹介します。
14:
第14回:創作の日本語と歴史の活用
言語の歴史が生成する表現上の機能の事例として、役割語とを取り上げます。