環境と人間1(マクロな視点)

基本情報

科目名
環境と人間1(マクロな視点)
副題
現代の環境人類学
授業タイプ
講義科目
担当教員
吉田航太
時限
オンデマンド
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

 本講義では、環境と人間の関係を人類学の観点から論じる。これまで人類学は世界各地の社会のあり方を研究し、人類が自然環境に応じて多様な生業や社会関係を編み出してきたことを明らかにしてきた。一方で、古典的な研究で想定されていた自然と文化という区分は近年問い直されてきている。自然とされたものにも人間の活動が深く埋め込まれていることが様々な事例で示されており、また、「人新世」という言葉で論じられているように、現代では地球全体が人間の影響を受けていることは否定できない。各地で形成されたローカルな環境との関わり方だけでなく、プランテーション農業などの大規模開発や自然公園といった環境保護などのグローバルな動きも加わり、環境と人間の関係はますます複雑となっている。そうした現実を捉えようとしてきた人類学の取り組みから、どのような洞察が得られるのかを探っていく。

授業計画

1:
第1回
オリエンテーション―人新世の環境人類学
2:
第2回
狩猟採集民の社会
3:
第3回
動植物のドメスティケーション―牧畜と農耕
4:
第4回
焼畑耕作の社会と贈与
5:
第5回
国家の起源と農業をめぐる問題
6:
第6回
農民社会のモラルエコノミー
7:
第7回
人間による環境改変の歴史―熱帯雨林の事例から
8:
第8回
多様な資源管理の技法―コモンズをめぐって
9:
第9回
自然破壊と社会の衰退
10:
第10回
プランテーションという社会・文化・環境
11:
第11回
近代的「自然」概念の登場
12:
第12回
環境保護主義の進展
13:
第13回
開発と環境保護のグローバルなせめぎあい
14:
第14回
マルチスピーシーズ人類学の視点