複合文化論系演習(芸術思潮の越境)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(芸術思潮の越境)
副題
越境する芸術―アート・ドキュメンタリ映画を企画・構想する
授業タイプ
演習
担当教員
小川綾子
曜日
水曜日
時限
1時限
教室
未定(対面)
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

20世紀以降の芸術にとって「越境」とは新たな創造の源泉です。「越境」は、国境・エスニシティ・ジェンダー・文化的領域・ジャンル・メディウムなどの既存の形式・制度・枠組みを横断し、時に侵犯、撹乱することで新たな芸術を生み出す力となっています。単に二つ以上の領域(絵画と音楽、芸術と科学など)に股がって作品を制作している、または多様なメディアを使用しているから「越境」的なのではありません。越境性を持つ芸術とは、異種の新たな結合によってその作品の背後から立ち上る思想とその表象される形に内在的な撹乱性と創造性を持つものです。
この授業では、前半で、上記のような意味での越境性を持つアーティストを各自1人取り上げて、そのアーティストについて発表してもらいます。後半では、前半の個人発表の中からとりわけ興味を引いた「越境性を持つアーティスト」を選び、その芸術家についてのアート・ドキュメンタリー作品(映画)をグループごとに企画・構想し、発表してもらいます。発表とディスカッションを通して、芸術における「越境」とは何か?について、考えを深めていきます。

【発表について】
前半:個人発表。「越境するアーティスト」をテーマに、20世紀以降の国内外のアーティストの中から自由に選出してもらいます。一度発表された作家は再度選べません。そのアーティストについて(概要と代表的作品とコンセプト、その作家の越境性は何か?)発表してもらいます。発表はビジュアルを使用したプレゼンテーション形式とします。レジュメを作成して下さい。

後半:グループ発表。前期の個人発表の中から投票で数名の芸術家を選び、グループに分かれます。(※選出する芸術家の数やグループの人数は受講者数により決定します。)班ごとに、その芸術家の映画を企画・構想します。その企画案を発表してもらいます。前半同様、発表はビジュアルを使用したプレゼンテーション形式とします。プレゼンテーションの方法もクリエイティブなものになるよう自由な発想を求めます。レジュメを作成して下さい。

授業計画

1:
第1回
•オリエンテーション+導入授業
芸術における「越境」とは何かを考える。ブレインストーミング。
2:
第2回
•講義:「越境するアーティスト・荒川修作+マドリン・ギンズについて」越境する芸術家について発表してもらうにあたり、一例として荒川修作+マドリン・ギンズについて講義します。
作品を鑑賞し、ディスカッションも行います。
3:
第3回
課外授業:国立美術館キャンパスメンバーズを使用して美術館へ課外授業に行きます。様々なアートの表現に触れ、作品をじっくり鑑賞します。
4:
第4回
•個人発表1「越境するアーティスト」についての個人発表&質疑応答
5:
第5回
•個人発表2「越境するアーティスト」についての個人発表&質疑応答
6:
第6回
•個人発表3「越境するアーティスト」についての個人発表&質疑応答
7:
第7回
•個人発表4「越境するアーティスト」についての個人発表&質疑応答
8:
第8回
•講義:「アート・ドキュメンタリー」
越境的な活動を行う芸術家についてのアート・ドキュメンタリーを4本ほど(部分)鑑賞、班分け
9:
第9回
•グループワーク1 班に分かれて、映画の企画・構想を練ります。
10:
第10回
•グループワーク2 班に分かれて、映画の企画・構想を練ります。
11:
第11回
•グループワーク3 構想した映画の構成をまとめていきます。
12:
第12回
•グループ発表1 企画した映画についてのプレゼンテーション&ディスカッション
13:
第13回
•グループ発表2 企画した映画についてのプレゼンテーション&ディスカッション
14:
第14回
総括・まとめ
改めて、芸術における「越境」とは何か?を考えます。グループワークとディスカッションを行います。