複合文化論系演習(コミュニティとナショナリズム)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(コミュニティとナショナリズム)
副題
現代世界におけるナショナリズムとコミュニティ
授業タイプ
演習
担当教員
松前もゆる
曜日
金曜日
時限
4時限
教室
未定(対面)
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

 ナショナリズムは近代と強く結びつく現象ですが、現代のグローバル化の時代にあって、再び世界各地でこうした動きが目立つようになってきたと言われます。とりわけ近年では、移民や難民に対し、あるいは、外部に由来すると考えられる理念や価値観に対し、「われわれ」―われわれの利益や価値観、あるいは「われわれのコミュニティ」―を守ろうとする動きとして現れているように思われます。他方、「コミュニティ」という言葉も、さまざまなレベルの多様な集団をさすことがある多義的なものでありながら、昨今「地域コミュニティの再生」が目指されたり、「移民コミュニティ」に目が向けられたりと社会的に注目されていると言えるでしょう。
 こうした状況への理解を深めるため、本演習ではまず、日本人論(日本文化論)の流行を文化ナショナリズムの一形態とし、また、「ナショナリズムの消費」という視点を導入して日本のナショナリズムを考察した、吉野耕作『文化ナショナリズムの社会学』(1997年)を購読します。その後、最近の新たな日本像として、宮島喬『「移民国家」としての日本』(2022年)に目を通したうえで、授業の後半では、少人数のグループ、もしくは個人で、現代社会におけるナショナリズム、あるいはコミュニティのありようを考えるための事例を選び、それについて調べたことを発表してもらいます。互いの報告を照らし合わせ、また全体でのディスカッションを通して、このテーマへの理解を深めることがこの授業の目指すところです。

授業計画

1:
第1回:オリエンテーション
本演習の目的と概要について説明します。
2:
第2回:講義とディスカッション
吉野耕作『文化ナショナリズムの社会学』第1章~2章
3:
第3回:報告とディスカッション①
『文化ナショナリズムの社会学』第3~4章
4:
第4回:報告とディスカッション②
『文化ナショナリズムの社会学』第5~6章
5:
第5回:報告とディスカッション③
『文化ナショナリズムの社会学』第7~8章
6:
第6回:報告とディスカッション④
『文化ナショナリズムの社会学』第9章、全体討議
7:
第7回:報告とディスカッション⑤
宮島喬『「移民国家」としての日本』第1章~2章
8:
第8回:報告とディスカッション⑥
『「移民国家」としての日本』第3章~4章
9:
第9回:報告とディスカッション⑦
『「移民国家」としての日本』第5章~6章
10:
第10回:発表①
グループ発表もしくは個人発表とディスカッション
11:
第11回:発表②
グループ発表もしくは個人発表とディスカッション
12:
第12回:発表③
グループ発表もしくは個人発表とディスカッション
13:
第13回:発表④
グループ発表もしくは個人発表とディスカッション
14:
第14回:発表⑤、まとめ
グループ発表もしくは個人発表とディスカッション、まとめ