複合文化論系演習(日本の美意識)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(日本の美意識)
副題
古典文学に見る日本の美意識
授業タイプ
演習
担当教員
フィットレル アーロン
曜日
金曜日
時限
5時限
教室
未定(対面)
授業シラバス
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授業概要

 美意識とは、美しいと決めることへの考え、また美しさを創造する心の働きであるが、これは国や地域によって異なる。このような多種多様な美意識は、その国、地域の文化の特徴のひとつである。この授業では、日本の美意識とは何か、どのような特徴があるのかについて、古典文学を中心に考えていく。
日本の美意識について考える際、自然と人間の関係が中心的な課題のひとつとなる。また、四季の景物と自然の移り変わりが人の感覚と日常に日本ほど強い影響を与えている文化が少ないと思われる。自然と人間、四季と人間の密接な関係は日本最古の文学作品である『万葉集』以来見られる特徴である。この関係のあり方と文学以外の芸術などへの広がりについて、他の国の文化と対照をしながら見ていく。
 各授業において講師がそれぞれのテーマについて講義し、問題提起を提供する。授業の最後に受講者が、小課題としてその授業の内容に関する設問に簡潔に回答し、提出する。また、理解度のチェックとまとめも含め、3回のグループディスカッションを行う。

授業計画

第1回 オリエンテーション:授業の内容や流れ、評価基準、参加するにあたっての注意点などの説明
    川端康成「美しい日本の私」
第2回 ドナルド・キーン「日本人の美意識」
第3回 日本古典文学における自然と人間の関係:自然とレトリック
第4回 グループディスカッション①(理解度のチェック)
第5回 和歌の美意識①『万葉集』の自然と和歌表現
第6回 和歌の美意識②『古今和歌集』以降の平安時代の自然と和歌表現
第7回 『枕草子』における美的感覚と共同体
第8回 『源氏物語』における自然と人間
第9回 平安時代の服装
第10回 グループディスカッション②
第11回 和歌の美意識③ 中世和歌の重層性と新しい自然美
第12回 「わび」・「さび」・「幽玄」とは何か
第13回 文学を超えて―茶道・華道・日本庭園―
第14回 グループディスカッション③(とまとめ)