複合文化論系演習(日本古典文化の受容と変容)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(日本古典文化の受容と変容)
副題
日本古典文学の国内外における受容と変容
授業タイプ
演習
担当教員
フィットレル アーロン
曜日
金曜日
時限
5時限
教室
未定(対面)
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

 日本の古典文学は1000年以上の歴史を持ち、この長い間、様々な形で発展し、受容されてきた。受容と変容の媒体から見ると、解釈と翻訳など、原典である文学作品と同じく文字を媒体としたもの、また絵画や映画など、異なるメディアへの受容と変容が区別できる。一方、範囲から見ると、国内における受容と変容と、国外における受容と変容が区別できる。媒体と範囲による違いはあるものの、これらの受容方法はいずれも相互関係にあり、影響関係にある。たとえば、言語を媒体とする受容に翻訳があるが、国内の翻訳としてはそれぞれの時代の現代語への翻訳と解釈があり、国外での受容としては外国語訳がある。前者は後者に影響を与える一方、異なる言語と文化的背景に受容、変容する場合、日本国内における受容には見られない現象も現れる。
 この授業では、日本古典文学とその背景にある文化的諸現象のこういった国内外の受容と変容の多様性と時代による変遷について考えていく。
各授業において講師がそれぞれのテーマについて講義し、問題提起を提供する。授業の最後に受講者が、小課題としてその授業の内容に関する設問に簡潔に回答し、提出する。また、理解度のチェックとまとめも含め、4回のグループディスカッションを行う。

授業計画

第1回 オリエンテーション:授業の内容や流れ、評価基準、参加するにあたっての注意点などの説明
第2回 日本古典文学・文化の受容と変容の諸問題① 国内における受容と変容
第3回 日本古典文学・文化の受容と変容の諸問題② 国外における受容と変容
第4回 グループディスカッション①(理解度のチェック):和歌の解釈と外国語訳の一例
「世の中は何かつねなるあすか川昨日のふちは今日ぞ瀬になる」(『古今和歌集』雑歌下・933)という歌の日本における解釈と諸外国語への翻訳を見る。
第5回 国内の受容と変容の事例① 和歌の再解釈と現代日本語訳
第6回 国内の受容と変容の事例② 歌人の伝説化、謡曲やパロディーにおける歌人・和歌・物語の受容
第7回 国内の受容と変容の事例③ 日本古典文学の絵画化―絵巻、絵本、浮世絵など―
第8回 国内の受容と変容の事例④ 現代における日本古典文学の受容―漫画、アニメ、映画など―
第9回 グループディスカッション②:日本古典文学の国内における受容と変容について
第10回 海外における受容と変容の諸問題① 日本文化特有の事柄の翻訳、伝達
第11回 海外における受容と変容の諸問題② 和歌表現・レトリック・形式の受容と変容
第12回 グループディスカッション③:日本古典文学・文化の海外における受容と変容について
「山里のあかつきがたの鹿のねはよはのあはれのかぎりなりかり」(『千載和歌集』秋歌下・319)という歌の諸外国語への翻訳を見る。
第13回 海外における受容と変容の諸問題③:『源氏物語』の外国語訳史と海外における評価
第14回 グループディスカッション④(まとめ)