複合文化論系演習(芸術思潮の越境)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(芸術思潮の越境)
プログラム
超域文化
授業タイプ
演習
担当教員
和田佐知子
曜日
水曜日
時限
2時限
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

私たちはインターネットを介して古今東西無数の芸術作品を気軽に観ることができますが、それでもなお、人々は作品と「生」で出会うために展覧会に足を運びます。世界には数多くの美術館が存在し、そこではコレクションの展示に加え、多様なテーマで構想された企画展が開催されています。キュレーターは現代社会への提言となるテーマや、歴史の中で見落とされていた思想を拾い上げ、新たな視座を提唱するために世界中から作品を集めます。それまで散在していた芸術作品を一堂に会して並置することにより、作品や思想に意味を付与していきます。展覧会とはまさに時代を映し出す鏡といえるでしょう。
本講義では、芸術思潮を越境する「場」として展覧会を考察します。また、制作された時空を超えて現代の鑑賞者に受け入れられるためには、作品についてよく知ることが不可欠で、その手掛かりのひとつが美術史といえるでしょう。作品が移動し、鑑賞者の眼に触れられるまでには実に様々な業界が介在しますが、美術史の知識なくしては十分に運用することはできません。講義では展覧会をスタディケースに、美術史という学問を活用しながら、物体としての芸術作品が現実社会の多様な領域と結びつく様子を考察します。

授業計画

1.オリエンテーション 「越境の場」としての展覧会 -アンドレ・マルローの空想美術館を考える
2. 「イズム」を可視化する アルフレッド・バー・Jr.とMoMAの挑戦
3.世界の美術館とその展示
4.時代を映す展覧会①
5.時代を映す展覧会② グループディスカッション
6.読売アンデパンダンとその時代 芸術家神話の瓦解
7.東京ビエンナーレの意味―変化する作品・消える作品
8ミュージアムと記憶 展示空間としてのミュージアム
9.社会とつながるアート ―アート・フェスティバル①
10. 現代社会とつながるアート ―アート・フェスティバル② グループディスカッション
11.アートとジャンル
12.アートの掛け算現代
13.美術をめぐる裁判
14.美術と倫理