複合文化論系演習(現代哲学の諸相)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(現代哲学の諸相)
プログラム
人間文化
授業タイプ
演習
担当教員
齋藤暢人
曜日
金曜日
時限
3時限
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

現代形而上学の一分野であるメレオロジーmereologyへの導入的授業を行う。メレオロジーは全体部分関係に関する形式理論であり、分析的形而上学の主要なツールのひとつになっている。全体、部分に関連する諸概念を論理的に正確に操作する手法を解説し、メレオロジーにもとづき存在論、形而上学を展開する方法を実践的に示す。また、関連する思想的背景であるフッサール、ホワイトヘッドらの思想について解説し、今後の展望について議論する。

授業計画

1:
第1回:メレオロジーとはなにか
部分、重複、分離などのメレオロジーの基礎概念を紹介する。
2:
第2回:メレオロジーの体系化
メレオロジーの公理(補足性など)について説明する。
3:
第3回:メレオロジーの諸定理
メレオロジーのなかで導出されるさまざまな定理について説明する。
4:
第4回:メレオロジーの意味論
メレオロジーは何を表現しているのかを学び、論理的存在論の可能性について考える。
5:
第5回:メレオロジーと原子論
メレオロジーと形而上学的主張としての原子論の関係について学ぶ。
6:
第6回:メレオロジーと存在論
メレオロジーとよく対応するアリストテレスの論理との関係について学ぶ。
7:
第7回:メレオトポロジーとはなにか
メレオロジーに接触、内部、境界などのトポロジー的概念を導入したメレオトポロジーを紹介し、より精密な存在の分析の可能性について学ぶ。
8:
第8回:メレオトポロジーの体系化
メレオトポロジーの公理系について学ぶ。
9:
第9回:メレオトポロジーの意味論
メレオトポロジーが表現する連続、接触、境界、内部、外部などの概念について学ぶ。
10:
第10回:メレオトポロジーと存在論
メレオトポロジーの諸概念の相互関係とその存在論的な意味について学ぶ。
11:
第11回:フッサールの全体部分論
フッサール『論理学研究』におけるメレオロジーについて学ぶ。
12:
第12回:ホワイトヘッドの延長の理論
ホワイトヘッド『自然認識の諸原理』におけるメレオロジーについて学ぶ。
13:
第13回:分析哲学とメレオロジー
グッドマンの哲学について学ぶ。また、哲学史研究におけるメレオロジーの活用についても学ぶ。
14:
第14回:メレオロジーの展開
言語学、心理学に隣接する現代形而上学の諸分野の議論を紹介する(量名辞の意味論、ゲシュタルト心理学における応用など)。