複合文化論系演習(文化人類学学説史)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(文化人類学学説史)
プログラム
人間文化
授業タイプ
演習
担当教員
三吉美加
曜日
火曜日
時限
4時限
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

本授業は、基本と応用の二つの構成からなる。

基本:人類学はどのような学問なのか、大まかな学問的経緯を理解した上で、各トピックについて書かれた文化人類学のテキストを読みながら、文化人類学的な考え方や主要ないくつかの学説を学んでいく。

まずは、大航海時代以降のヨーロッパ世界の「未開」へのまなざし、近代化と人類学の誕生、ダーウィンの進化論の影響、植民地主義と人類学などについて学ぶ。その後、いろんなトピックを扱うなかで、文化相対主義、構造主義、オリエンタリズム、ポストコロニアルなどを理解していく予定である。各回に扱うトピックについては、受講者の文化人類学の受講経験や前知識の有無、関心領域などを確認した上で柔軟に対応していく。そのため、授業計画の内容やトピックは変更する可能性がある。変更した際は、授業時およびMOODLE上でお知らせする。

発表者は課されたリーディングの内容をまとめる。また、それをもとに、応用・発展して考えたことについて述べ、クラス全体に3つほどの問いを提示してもらう。しばらくグループで話し合い、のちにグループ代表者がグループワークの成果を発表し、クラス全体でのディスカッションを行う。

応用:
各自【私のエスノグラフィ】のプロジェクトを作成してもらう。文化人類学的研究にふさわしいリサーチトピック,調査対象をまずは大まかに設定し、オンライン文献を見つけ、目を通しながらプロジェクトを具体化していく。実際に調査は行わなくてもよいが、どのような視座から調査対象にアプローチするか、どの考え方や学説が参考になりそうかなど考えていく。

毎回ではないが授業時、数人の受講者が自らのプロジェクトの進行を報告し、他の受講者からコメントや質問をもらう。そこでの議論をもとに、さらにプロジェクトをより実現可能性の高いものにブラシュアップしていく。参考にする学説について理解し、最終的には、自分のプロジェクトの人類学的な意義について明確に答えられるようになることを目指す。個人のプロジェクトは最終的に提出が求められる。

アクティブラーニングの形式で授業を進める。単位を取得するためには、しっかりとテキストを読んで、活発に議論に参加することが求められる。基本的に、授業時に発言せずに授業が終わることはないと思ってください(もちろん、事情がある場合は配慮します)。受講者の人数にもよるが、個人およびグループ内での発表は最低2回以上となる。

授業計画

1:
第1回
オリエンテーション(本講義の目的と概要・授業内容の確認と進行についての説明)、教科書のお知らせ、各回のトピック・発表者決定
2:
第2回
近代化と人類学の誕生:歴史的経緯
3:
第3回
発表とディスカッション:フィールドワーク/文化相対主義、エスノグラフィ
4:
第4回
発表とディスカッション:アイデンティティ/民族、人種
5:
第5回
発表とディスカッション:移動
6:
第6回
発表とディスカッション:観光
7:
第7回
理解度の確認(試験)
次週のプロジェクト途中経過発表のやり方を説明
8:
第8回
発表とディスカッション:各自のプロジェクト途中経過:グループ発表
9:
第9回
発表とディスカッション:通過儀礼
10:
第10回
発表とディスカッション:「ポップカルチャー」と若者 
11:
第11回
発表とディスカッション:各自リサーチについての発表 1
12:
第12回
発表とディスカッション:各自リサーチについての発表 2
13:
第13回
発表とディスカッション:各自リサーチについての発表 3

14:
第14回
人類学的思考の展望:これまでのまとめ
理解度の確認(試験)