芸術論争の歴史

基本情報

科目名
芸術論争の歴史
副題
「展覧会」が生み出す芸術潮流
プログラム
人間文化
授業タイプ
講義科目
担当教員
和田佐知子
時限
オンデマンド
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

 アートの価値は絶対ではありません。政治体制や世界情勢、常識の変化により、かつては高く評価されていた作品が忘れ去られる、反対に再評価を受けて価値が高騰することも珍しくありません。芸術作品の持つ意味や価値、さらに作家自身は、作品が世に発表された瞬間から、常に論争の渦中に巻き込まれているのです。芸術作品は作者の意図や人生だけで生み出されるものではなく、作家自身が社会に身を置き、周囲と関係を築くことで多層的に創り出されるものといえるでしょう。同時にアートを取り巻く環境や批評もまた、複合的な要素を内包して成立しています。
 本講義では、芸術作品の価値を「変化/転換」させる契機となった歴史上の展覧会や美術界の出来事に着目し、その背景と諸相について考察します。講義を通じて作品に関する知識も深めることで、美術館に足を運ぶ新たな機会にしたいと考えています。

授業計画

1. オリエンテーション アートの価値は変化する
2. 記録としてのアート/ツールとしてのアート
3. 美術史を創り出す展覧会①
4. 美術史を創り出す展覧会②
5. 万博と芸術
6. 画商と画家 アートを生み出す共犯者
7. 移動するアート 亡命者たちのアート・・など
8. アート・ムーブメントを創り出す① 新聞社と美術展
9. アート・ムーブメントを創り出す② セゾン美術館の功績
10. ジャンルを超えて―拡大する創造①
11. ジャンルを超えて―拡大する創造②
12. アートの掛け算
13. 美術と真贋 オリジナリティと展示施設としての美術館
14. アートと法 奪われた作品と美術館