複合文化論系演習(開発人類学)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(開発人類学)
副題
開発と社会
プログラム
文化人類学
授業タイプ
演習
担当教員
三浦敦
曜日
月曜日
時限
3時限
教室
31-201
授業シラバス
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授業概要

 現在、世界の多くの人がまだ貧困状態の中で暮らしているが、こうした貧困の問題は、今や世界の経済的社会的システムの安定を脅かすものとなっている。今まではこうした問題への対処は主として経済学的観点から議論されて来たが、貧困や開発は経済的側面だけを考えたのでは対処できない問題である。本演習ではまず、経済的側面だけを考えた市場自由化政策が途上国(および先進国)に与えた大きな影響(特に負の影響)について検討した後、さまざまな国において同じ開発政策の効果がどのように異なってくるのかを検討する。その上で、社会的文化的要因が貧困および貧困削減とどのように関わっているのかを、様々な事例をもとに検討していく。授業は発表を重視する。

授業計画

1: 第1回/イントロダクション
本演習の目的と概要の説明。

2: 第2回/貧困とは何か
貧困の定義と貧困の現状。

3: 第3回/開発に関わる諸機関
開発に関わる諸エージェントのそれぞれの特徴と実情。

4: 第4回/開発の歴史
第二次大戦後の開発の歴史と、そこで起きた諸問題についての理論的考察

5: 第5回/構造調整プログラムの諸問題1
1980年以降に世界に大きな影響を与えた構造調整プログラムの考え方とその帰結

6: 第6回/構造調整プログラムの諸問題2
構造調整プログラムによる開発の実例の検討

7: 第7回/不平等の再生産のメカニズム
さまざまな差別や不平等(人種差別、ジェンダー差別、民族差別など)の発生と再生産のメカニズムの検討

8: 第8回/マイクロファイナンス1
1990年代以降、大きく注目されたマイクロファイナンスの考え方

9: 第9回/マイクロファイナンス2
マイクロファイナンスの実例の検討

10: 第10回/モラルエコノミー
市場経済とは異なるあり方としてのモラルエコノミーのあり方の実例の検討

11: 第11回/参加型開発1
参加型開発の歴史とその考え方の理解

12: 第12回/参加型開発2
参加型開発の実際

13: 第13回/開発と市民社会・民主主義1
開発と市民社会および民主主義との関係についての実例の検討

14: 第14回/開発と市民社会・民主主義2
諸社会の開発問題の総括と、今後の問題と可能性について検討

15: 第15回/まとめ
演習全体の議論のまとめ