複合文化論系演習(移民社会と地域文化)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(移民社会と地域文化)
副題
中国東北朝鮮族
プログラム
異文化接触
授業タイプ
演習
担当教員
花井みわ
曜日
火曜日
時限
6時限
教室
33-2-114教室
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

 本授業では満洲における朝鮮人の移民史を社会と教育の側面から考察する。合わせて満洲の日本人移民と比較しながら満洲国の五族協和の実態を考察する。朝鮮人移民とともに形成された村、ここでは満洲国が1935年調査した調査村を65年後再調査したフィルードワークを交えて紹介しながら移民の社会変動を考察する。また、満洲の朝鮮人の教育と文化の中心地であった間島の龍井市の町の形成過程を考察しながら朝鮮人移民と地域との連関、朝鮮人移民と東アジア地域文化の多様性に迫る。朝鮮人移民によって、満洲には新たな文化と多文化複合が持たされ、地域社会は豊かになり、活気に溢れていた。朝鮮人移民の定着と適応過程においては教育が重要な役割を果たし、教育は社会の変動、社会上昇の原動力であったことを解き明かす。
 授業ではトピックス、歴史資料、写真、映像を通じて朝鮮人移民と地域社会の連関を考察する。朝鮮人移民が固有の民族文化を守りながら、新しい文化、近代教育を取り入れ、それを習得する努力をし、発展思考が強く、社会へ適応する柔軟性が高かった特徴を検証する。
 授業では受講者自身が疑問に思ったことに対して意見を発表し、議論を行う形式を取りながら、授業を進める。

授業計画

1: 第1回
イントロダクション

2: 第2回
図們江・鴨緑江を超えて満洲へ

3: 第3回
朝鮮人移民の満洲開拓と水田開発

4: 第4回
鮮人移民社会と間島日本総領事館

5: 第5回
1920年代満洲の朝鮮人教育の展開

6: 第6回
朝鮮人移民と中国地方官憲、中国人との関係

7: 第7回
朝鮮人村――1935年満洲国調査村の事例

8: 第8回
満洲国の社会統合と朝鮮人の対応

9: 第9回
近代教育の受容と朝鮮人社会の変動

10: 第10回
国際都市――龍井

11: 第11回
五族協和の実態と満洲の日本人移民との比較

12: 第12回
朝鮮人の文芸とスポーツの展開

13: 第13回
戦時体制下での生活と教育

14: 第14回
1945年8月以降、激動の社会への適応

15: 第15回
まとめと総括、現在の中国朝鮮族の社会移動と関連して