複合文化論系演習(意味論研究)

基本情報

科目名
複合文化論系演習(意味論研究)
副題
意味分析の実践
プログラム
言語文化
授業タイプ
演習
担当教員
室井禎之
曜日
水曜日
時限
2時限
教室
32-322-1
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

 ことばの意味についてさまざまな観点からアプローチを試みます。言語にとって意味はその本質的な作用ですが、直接観察することができません。また、ことばは場面に応じてさまざまな意味で使われることも日常的に経験することです。この捉えどころのないものをどうすれば把握できるか、という問いに対して答えようと試みるのがこの演習です。言語学の意味分析は話者の言語感覚(直感)を信頼するものではありますが、思い込みや、個人的なバイアスの影響を避けるため、さまざまな用例を集め、関連する表現と対比させながら慎重に行なわなければなりません。日本語と英語の例を用いてこの作業を実際に行ないます。
 分析は、分担を決めて受講者が先行研究のそれを紹介しながら分析の試みを発表することからはじめます。それをさらに全員で検討します。発表および討論は、こちらも分担を決めて受講者が記録し、Course N@viに掲載します。
 最終回には、それまでの分析の作業とその結果をもとに理論的な検討をも加えます。こちらは主として担当教員が説明しますが、とりわけ、自立した言語体系という構想に基づく構造意味論と、言語を認知システムに組み込まれたものと考える認知意味論のアプローチの違いを論ずることになるでしょう。

授業計画

1: 第1回
導入:言語学の諸分野、演習概要

2: 第2回
親族用語(日本語)

3: 第3回
親族用語(英語)

4: 第4回
次元形容詞 I(日本語)

5: 第5回
次元形容詞 II(英語)

6: 第6回
次元形容詞 III(認知言語学的アプローチ)

7: 第7回
加熱調理の方法を表す動詞(日本語)

8: 第8回
加熱調理の方法を表す動詞(英語)

9: 第9回
意味役割と語彙概念構造

10: 第10回
日本語と英語の移動動詞

11: 第11回
「あがる」と「のぼる」(I 構造言語学的アプローチ)

12: 第12回
「あがる」と「のぼる」(II 認知言語学的アプローチ)

13: 第13回
プロトタイプ分析

14: 第14回
メタファー

15: 第15回
レイコフの"mother"