美の制度

基本情報

科目名
美の制度
副題
現代社会における美の諸相〈美〉の虚構性
プログラム
感性文化
授業タイプ
講義科目
担当教員
内藤李香
曜日
木曜日
時限
5時限
教室
34-453
授業シラバス
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授業概要

 私たちが普段美しいと認識しているものは、果たして本当に「美しい」のでしょうか。
 「美しい」あるいは「心地よい」と感じること―こうした主観の働きの解明は、近代以降の哲学における大きな課題でありました。その一方で私たちが、「美しい」/「心地よい」という認識は単なる個人的な問題であり、学問として改めて問う必要はないのでは、と思ってしまうことも否定できません。
 しかしながら、ここでたとえば、今日多くの日本人が「美しい」と感じている、大きくてくっきりとした二重の目は、たった100年ほど前までは、「化け物」のようだと認識されていたということを考えてみましょう。この事実をふまえるならば、私たちが何気なく「美しい」、あるいは「心地よい」と感じていることも、実は見えない社会の「制度」によって、「美しい」/「心地よい」と感じさせられているのかもしれません。
 本講義では、こうした問題意識をふまえ、主に20世紀以降の〈美〉をめぐる様々な事象を取り上げ、同時代の思想家や哲学者の議論を手がかりにしながら、より身近で具体的なレベルでの〈美〉のあり方とその「制度」について検討していきます。

授業計画

1: 第1回:イントロダクションーイデオロギーとしての〈美〉の制度
本講義の目的と概要について説明します。

2: 第2回
20世紀芸術をめぐる〈美〉と制度(論)(1)

3: 第3回
20世紀芸術をめぐる〈美〉と制度(論)(2)

4: 第4回
音楽をめぐる〈美〉と制度(1)

5: 第5回
音楽をめぐる〈美〉と制度(2)

6: 第6回
メディアにおける〈美〉と制度雑誌、広告(1)

7: 第7回
メディアにおける〈美〉と制度雑誌、広告(2)

8: 第8回
メディアにおける〈美〉と制度映画(1)

9: 第9回
メディアにおける〈美〉と制度映画(2)

10: 第10回
博覧会/百貨店における〈美〉と制度(1)

11: 第11回
博覧会/百貨店における〈美〉と制度(2)

12: 第12回
娯楽産業における〈美〉と制度

13: 第13回
テーマパークをめぐる〈美〉と制度(1)

14: 第14回
テーマパークをめぐる〈美〉と制度(2)

15: 第15回
まとめ