早稲田大学 文化構想学部 複合文化論系

　エスニシティ（ethnicity）あるいはエスニック・グループ（ethnic group）という言葉は、ふつう国家を構成する国民（nation）の下位概念として扱われるが、多くの国では、国民としての統合とエスニシティとが必ずしも一致せず、しばしば問題を引き起こしている。このような状況はどうして生ずるのだろうか。答えを探るためには、歴史を遡る必要がある。この演習では、さまざまなエスニック・グループの起源を遡り、近代国家の形成過程において、エスニックなまとまりと国民統合との関係がどのように推移したかを考察していく。具体的には、各受講者が、自らの関心に応じて特定のエスニック・グループを選定し、関連文献などを調べて発表するという方式をとる。

第1回：オリエンテーション
授業のねらいと進め方の説明

第2回：導入講義1
エスニシティとは何か

第3回：発表日程調整
発表テーマの集約と日程調整、参考文献紹介

第4回：導入講義2
「エスニシティを遡る」ことの意味

第5回：導入講義3
前近代の「帝国」と民族①─中国（清朝）の例

第6回：導入講義4
前近代の「帝国」と民族②─ロシアの例

第7回：学生発表1
学生の発表と討論

第8回：学生発表2
学生の発表と討論

第9回：学生発表3
学生の発表と討論

第10回：学生発表4
学生の発表と討論

第11回：学生発表5
学生の発表と討論

第12回：学生発表6
学生の発表と討論

第13回：学生発表7
学生の発表と討論

第14回：学生発表8
学生発表と討論

第15回：総括
総括討論とまとめ