異文化接触と日本文化

基本情報

科目名
異文化接触と日本文化
副題
日本におけるアヴァンギャルド芸術運動の諸相
プログラム
異文化接触
授業タイプ
講義科目
担当教員
上野理恵
曜日
水曜日
時限
6時限
教室
36-681
授業シラバス
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授業概要

 20世紀初頭にヨーロッパを席巻したアヴァンギャルド芸術運動の波に呑み込まれるように、日本でも1920年に〈未来派美術協会〉が発足し、以後、さまざまなグループがマニフェストを掲げて活動を繰り広げていきました。しかし、1925年にピークを迎えると同時に空中分解し、その後、プロレタリア美術運動に吸収されていきます。短命に終った日本のアヴァンギャルド芸術運動ですが、そこで試みられたさまざまな実験は、戦後の日本美術の動向につながっていっただけでなく、現代のアート・シーンを考える上でも重要な問題を提起しています。
 この授業では日本のアヴァンギャルド芸術運動の諸相を、主にロシア・アヴァンギャルドの受容という観点から見ていきます。1920年代の前半に相次いで来日したロシア・アヴァンギャルドの芸術家ブルリュークとブブノワは、日本のアヴァンギャルド芸術運動を先導する役割を果たしました。ロシア・アヴァンギャルドが提出した、無対象絵画への転換、パフォーマンスや総合芸術への志向、新しい素材の利用、芸術の生産性と実用という問題は、日本でどのように受容され、独自の現象を生み出したのでしょうか。その歴史的意義を考えます。

授業計画

第1回:オリエンテーション
 第2回:未来主義の受容——未来派美術協会とブルリューク
 第3回:未来主義の受容——未来派美術協会とブルリューク
 第4回:キュビスムから抽象絵画へ——マレーヴィチを中心に 第5回:キュビスムから抽象絵画へ——プリミティヴィズム再考
 第6回:カンディンスキーの受容——日本の抽象絵画
 第7回:構成主義の受容——村山知義とブブノワ
 第8回:構成主義の受容——村山知義とブブノワ
 第9回:身体文化の新たな可能性——〈マヴォ〉、〈三科〉の活動
 第10回:身体文化の新たな可能性——バレエ・リュスと日本
 第11回:身体文化の新たな可能性——モダン・ダンスと日本
 弟12回:新しいリアリズムの発見——「新ロシヤ展」とプロレタリア美術
 第13回:構成主義の変奏——大衆文化とアヴァンギャルド芸術
 第14回:授業のまとめ
 弟15回:筆記試験
 *授業の進度によって上記内容は変更となる可能性があります。