祈りのメンタリティ

基本情報

科目名
祈りのメンタリティ
副題
現実の私たちの生活における祈りの意味を新たな観点「東方正教会(Orthodox Church・キリスト教)の祈り」を検証しつつ,「祈りとは」,「祈りのメンタリティとは」について考察する。
プログラム
感性文化
授業タイプ
講義科目
担当教員
長屋房夫
曜日
木曜日
時限
4時限
教室
36-581
授業シラバス
[シラバスへのリンク]

授業概要

東方正教会の典礼(奉神礼)、イコン(聖像)、教会建築、聖歌、修道制と教会生活などは「祈り」と密接な関係にあるので、可能な限りこれらを取り上げ、日本ではあまり知られていない東方正教の理解を深め、祈りの諸位相を分析し、無宗教と言われる日本社会において「異なった視点(正教)」からの生き方、ものの考え方、世界観を学ぶ。また、東方正教会(ロシア正教会)の教会見学をする。授業計画は授業の展開によって、若干の変更があり得る。

授業計画

1: 第1回 オリエンテーション(本講義の目的と概要)
本講義の概要について説明。文献目録配布します。メンタリティとは何か?

2: 第2回 キリスト教とその歴史
キリスト教全般の歴史を俯瞰し、その中で東方正教の位置を確認、またキリスト教の価値について考察

3: 第3回 東方正教の特徴と祈りの歴史
東方正教と他キリスト教との教義的相違について、また歴史の中で聖師父たちが教える「祈り」について

4: 第4回 キリスト教の分裂と東方正教会
キリスト教分裂の歴史的意義とその後の東方正教会-祈りと修道制、教会建築、聖歌、イコンなどについて

5: 第5回 東方正教会の祈りの時間と暦
グリゴリウス暦とユリウス暦について、祈りの補助アイテム(イコンの歴史)

6: 第6回 イコンについて
東方正教会におけるイコンの使用とその発展、イコン使用肯定の神学

7: 第7回 イコン崇敬の確立とイコノクラスム
イコノクラスム(聖像破壊運動)の原因と歴史、イコン崇敬の確立

8: 第8回 ビザンティン様式イコン
ビザンティン様式イコンの確立と特徴

9: 第9回 ヘシカスム
ヘシカスム(静寂主義)と「イエスの祈り」について

10: 第10回 教会見学
教会見学(日付の変更あり、日曜日に見学するので、その週の講義は休講となる)

11: 第11回 修道制と神秘主義
正教の修道制と霊性について

12: 第12回 正教の祈り
正教の霊性と「祈り」(祈祷、祈願、祝文)、世界の成聖と機密

13: 第13回 ポスト・ビザンティンの正教と西欧キリスト教
ポスト・ビザンティンの正教と西欧キリスト教、西欧社会(歴史的発展と評価)

14: 第14回 正教の究極の祈りと偶像崇拝
正教の聖師父が教える「究極の祈り」とは何か、イコンと偶像崇拝

15: 第15回 まとめ
東方正教やローマ理念(ビザンティン理念)に学ぶべきことは? 現代に生かすことは何か?